スバル、米国生産も表明「EV新戦略」に漂う唐突感 2030年にEV比率5割を掲げたが具体性に疑問符

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スバルの江森朋晃・専務執行役員は「(トヨタと)両社でバッテリーの技術の幅を広げていくべきではないかという話をする中で、それぞれ違うところを行く。最終的には両社の成長に返ってくる」と強調するが、これからは独自の電池調達に大きなコストと手間がかかってくる。

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スバルは2030年頃までに電動化関連に1.5兆円を投じ、うち約半分を電池関連に充てる計画だ。投資の回収効率を上げるためにも、また、単独での購買力を付けるうえでも、一定のスケールを出すことは大事になってくる。

こうした事情が2030年にEVの世界販売60万台の目標につながり、既に40万台の生産体制構築を発表している日本に加えてアメリカでのEV生産を決めた一因になったのかもしれない。もとよりIRA対応を考えればアメリカでのEV生産は待ったなしだった。

新計画の発表でも株価下落の歯止めにならず

もっとも新計画への株式市場の反応は手厳しいものだった。

スバルの株価は新計画と決算を発表した8月2日午後1時の2779円から直後に下降し、足下は2600円台半ばで推移する。

業績は悪くない。2024年3月期決算の第1四半期(2023年4~6月)の営業利益は前年同期比2.3倍の844億円で、通期の営業利益計画3000億円に対する進捗率も28.1%だった。

ただ、期初想定より円安に振れていることから業績の強含みは市場も織り込み済みだったようで、むしろ上振れ幅が市場からの期待値に届かなかったことが今期、ここまで上昇基調で進んできた株価への冷や水となったとみられる。今回のEVに関する新計画の発表は、株価下落の歯止めにはならなかったようだ。

その理由として考えられるのは、新計画を実現するための具体策の乏しさだ。たとえば、EVの生産や販売の拡大を目指すうえでは、生産の効率化によるコスト抑制は欠かせない。

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