超人気ホラー系YouTube「ゾゾゾ」数奇な誕生の背景 怖がりだった少年が心霊スポットを巡るまで

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写真:筆者撮影

専門学校を卒業した後は、ウェブデザインの会社に就職することにした。

「突然ですけど、自分って恋の告白に成功したことないんですよ。自分から告白したら、100%振られるんです。それとは逆に、自分は一度も面接に落ちたことない。これは、特技と言ってもいいのかな? なので、この時も一発で目当ての会社に就職することができました」

時代的には、インターネットの環境は整ったが、まだスマートフォンは広まっていない、それくらいの時代だった。

「20歳で就職してから、遅ればせながら働きつつ一生懸命勉強しました。そんな悠長な社員を許してくれた会社には感謝しかありません。その期間に、得るものは大きかったです。現在もかなり役に立っています」

皆口さんはウェブデザイナーとしてみるみる成長していったが、会社の経営はあまり芳しくなかった。会社からは「8割くらいのデザイナーは辞めてほしい」というお達しが出た。

「直属の先輩に『俺は辞めるけど、お前は頑張れ』って言われたんですけど、『だったら自分も辞めます』みたいな感じで辞めました。で、次はどうしようかなと。同じ仕事するのはつまらないと思って、自分が今までやってきてない仕事、接客業をすることにしました」

面接で「君は友達100人いるの?」と聞かれ…

その後、音楽CDショップでの6年におよぶアルバイトを経験。次もやはりあまり経験したことがない仕事をしたいと思った。正社員募集で仕事を探すとなかなか面白い仕事が見つからなかった。

「アルバイトの方が面白いことが書いてあるんですよね。だったらアルバイトから入って正社員に上り詰めたらいいと思いました。探していると、ウェブデザインもやってるし、他にもいろいろやってる、なんだかよく分からないベンチャー企業を見つけました」

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会社に行くと、皆口さん一人きりの面接だった。他の人は別日だったようだ。面接官には、ウェブデザインの仕事の経験があること、接客業の経験があることをアピールした。

面接をしていると、面接室に社長が現れた。社長と言っても、皆口さんより2~3個上。30前後の若い社長だった。

社長は皆口さんを見ると、

「君は友達100人いるの?」

と聞いた。

皆口さんは、

「……100人はいないですね」

と答えた。

「それで社長との会話は終わり……。初めて面接落ちたかと思いました。でも受かってました。実は、その時の社長がゾゾゾの落合さんなんです」

後編に続きます)

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村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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