「西成で78日生活」30歳彼が体当たりで掴んだ幸運 筑波大→大阪あいりん地区「異色ルポ」誕生背景

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重量級の単行本を3冊出してきた國友さんだが、これからどのような仕事をしていきたいと思っているのだろうか(筆者撮影)
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これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第110回。

(前編:「筑波大を3回休学した男が放浪の末に見つけた天職」はこちら

書き溜めた原稿を出版社に送る日々

國友さんはシックスサマナで原稿を書きつつ、書き溜めた原稿を出版社に送った。

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相変わらず返事をもらえなかったが、月刊サイゾーの編集部のみ連絡が来た。

その後サイゾーpremiumというウェブサイトで初の商業媒体の記事を書いた。これを足がかりにしようと思ったが、あまり手応えはなかった。

「大阪で開催される、クーロン黒沢さんのトークライブに参加させてもらうことになりました。なんば紅鶴という箱だったのですが、少し離れた場所にある西成のドヤに泊まりました。当時はドヤ街西成という存在も知らなかったので、『こんな街もあるのか!!』って驚きました」

國友さんは黒沢さんに

「なかなか営業しても上手くいかない」

と相談すると、日刊SPA!の編集者を紹介してくれた。

「日刊SPA!の編集さんは『黒沢さんが紹介する人だから、ヤク中のオジサン』が来るんだろうと思っていたみたいです。日刊SPA!は何処の馬の骨か分からない奴に原稿を書かせてくれるほど甘い媒体ではなかったのですが、編集さんが黒沢さんのファンだったのでゴリ押しで特別に書かせてもらえることになりました」

大学に通いながら日刊SPA!で定期的に記事を書くようになると、段々風向きが変わってきたのを感じた。

卒業するまで記事の投稿を続けて、ライターとしての実績をつけた。

「ただフリーランスのライターとして一本で生活できるか? と言ったら、微妙なラインだったんですよね。当時のライターとしての収入は月15万円くらいでした。ギリギリですね」

次ページ「出版社に直筆の手紙を出すと良い」とアドバイスをもらい…
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