【産業天気図・工作機械】今下期もフル操業。航空機向けなど自動車以外も拡大基調

自動車向けトランスファーマシンが快走し、9月中間期の営業利益が前年比6.5倍になった日平トヤマ<6130.東証>。しかし、同期間の受注額は前年比6.3%減となった。一見、さしもの自動車景気も、ついに転換点か、という数字だが、実態はそうではない。「自動車メーカーはもっと発注したいと思っている。が、これ以上、受注残を増やすと、納期など顧客に迷惑をかけるので−−」と会社側。自主的に受注を“抑制”しているのだ。
 この状況は、工作機械業界全体に拡大しても同じ。10月の工作機械の受注額は内需、輸出とも前年比わずか1%増。今年1月、2月の伸び率(それぞれ30%、26%)とは様変わりだが、比較する前年の水準自体が高くなっている。ちなみに10月末の受注残6303億円はバブル期の絶頂期、1990年の受注残6127億円を上回る。今下期は、目一杯のフル操業が保証されている。鋼材などの資材高も、ほとんど収益には影響していない。
 問題は、来春以降の受注動向だ。自動車向けについては「さすがに減速する」、「いや、トヨタを中心にまだ発注は続く」と見方が分かれるが、たとえ自動車がピークアウトしても、航空機や造船向けが拡大基調にある。とりわけ、航空機業界はボーイング878、エアバス380向けに設備投資の真っ最中。「航空機向けの5軸専用機はエアバスからリピートオーダーが来ている。国内向けにも商談中。航空機向けは全体の売り上げの10%以上にしたい」と牧野フライス製作所<6135.東証>。雲一つない日本晴れとはいかなくても、来年4月以降、工作機械の好調はまだ続きそうだ。
【梅沢正邦記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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