アメリカの景気は、本当に夏から持ち直すか 楽観的なFRBは年内利上げを示唆
またかという感じだが、年初3カ月間に米国の経済成長は滞った。
だが4月29日、FRB(連邦準備制度理事会)は回復の見込みがあるとして、年内に利上げに着手するという意思がまだあることを示唆した。
ウォール街では下方修正する動きも
楽観的なFRBに対し、ウォール街では第2四半期の成長率予想を下方修正する動きもあった。成長鈍化の原因には寒波の影響もあったが、慎重な消費者心理やドル高といった要因もあり、低成長は長引くおそれがあるものと判断したからだ。
「米国経済は第1四半期につまずいた」とバンク・ブ・ザ・ウエスト(サンフランシスコ)の首席エコノミスト、スコット・アンダーソンは言う。「2014年第4四半期の控えめな成長から、2015年第1四半期にはほぼゼロ成長へと転じた」。
リセッション(景気後退)終了以降、毎度のように冬季には成長が減速してきた。政府による4月29日発表の速報値で第1四半期のGDP(国内総生産)伸び率はわずか0.2%増だった。1~2月には雇用が勢いよく拡大したのに、3月に雇用者数の増加は12万6000人にとどまっている。FRBは政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)会合後に発表した声明の中で、労働市場情勢は過去1カ月間に改善しなかったと述べた。その4月の雇用増については、政府の速報値が5月8日に発表される。