実は留学生も多い「防衛大」なんとも独特な実態 「息が詰まる」…各国を担うエリートたちの本音

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ただし、留学生でも体力がなく弱い人たちもいます。

彼らの出身地を聞くと、大抵は首都出身で実家は金持ちであることが多いです。つまり、留学生もシティボーイ・ガールになると途端に弱くなり、田舎出身であればあるほど強くなります。環境が人を変えるのは事実と言えるでしょう。

そんな留学生に防大にやってきた経緯を聞くと、理由はさまざまです。

「軍隊の将校に憧れて」と言う人もいますが、よくよく聞くと「本当は医者になりたかったけど、学費がなくて士官学校に入った」や「大学に行く学費がなかったから」など、防大生が進学する理由と似たようなことを話す人がいます。

私と仲がよかった留学生の先輩は、親が陸軍将校で「日本に留学したくないか?」とある日言われ、「行きたい!」と言ったら陸軍に入隊させられて防大送りになったと話していました。

留学生に間違えられる日本人学生

留学生の中には見た目が日本人にそっくりな人もいれば、留学生にそっくりな日本人学生もいます。モンゴル人やベトナム人は日本人に似ているので、とくに間違えられやすいです。

留学生の中には、日本人以上に日本人っぽいオーラを出す学生がおり、見た目だけではほぼ違いがわかりません。「あいつがバートルかと思ったら、田中だった」などの間違いもよくあり、彼らが同じ教場にいると「え〜っと、チェンくん答えてくれるかな」と教官が日本人学生に向かって言うことがあります。

また、タイ人に似ている私の後輩は、「タイ人の下級生からタイ語で敬礼される」とよくぼやいていました。パッと見がタイ人であるためタイ留学生からの人気は絶大で、タイ人の集会に特別枠として参加したり、民族衣装を着たりとマスコットのような存在になっていました。

『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

最終的には「自衛隊じゃなくて、タイ陸軍に来いヨ」と言われており、「見た目が似ていると親近感が湧くんだなぁ」と私は思ったものです。

なお、日本語が流暢な留学生の上級生が、しどろもどろになっている日本人の1学年に向かって「お前は日本語が下手くそだ。何を言いたいかわからない。イチから日本語を勉強し直せ!」と言っている姿を何回か見たこともあります。ネイティブの日本人学生が負けてしまうぐらい、彼らは優秀だとお伝えしておきましょう。

こうした留学生との交流は防大卒業後でも続き、海外派遣の際にばったり出会って防大の思い出を語るということも珍しくありません。

私は仲がよかった留学生に「元気にしてる?」と連絡したら、「今アフガンにいるよ! テロの爆発で先週は死ぬかと思った! 笑」とパワーワードが返ってきたこともあります。いずれにしても、各国の士官候補生との交流は防大でなければ経験ができないので、それだけでも防大に進学する価値はあるでしょう。

ぱやぱやくん 元自衛官・エッセイスト

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ぱやぱやくん

防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。Twitter:@paya_paya_kun

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