シャンシャン住む中国の街で「パンダ炎上」の真相 有名歌手やゲームキャラを彷彿とさせるモノも
パンダのゲートをくぐって最初に現れるビールジョッキを手にしたパンダ「天天(ティエンティエン)」は1980年にドイツに贈られた元野生パンダ。「ドイツに渡った後にビールの味を覚え、ビール樽の上で転寝するようになった」そうだ。
1972年にアメリカに贈られた「玲玲(リンリン)」は周恩来元首相が米中関係改善の一環として寄贈を進めたとある。アメリカの自由な文化に染まり、パンダ界のマイケル・ジャクソンを目指しているという。
モチーフとなったパンダの渡航先としてはロシアと北朝鮮が最も多い5頭、日本の3頭が続く。
国内のパンダをモチーフにした像からは、中国のパンダ飼育・繁殖史がわかり興味深い。
最古参は1938年に動物ハンターのスミスに捕獲された碚碚(ベイベイ)。重慶市で展示され、パンダ飼育の基礎となった存在だという。
2000年代前半に野外で発見された「載立(ダイリー)」と、「紫雲(ズーユン)」はそれぞれ足に障害があり、紫雲はパンダ界で初めて義足をつけた。
元晶(ユエンジン)は1963年に北京動物園で、中国で初めて人工授精によって生まれた。また、盼盼(パンパン)の子孫は130頭おり、世界で飼育されているパンダの4分の1が血を引いているという。シャンシャンの曾祖母にあたり、2020年に38歳で死んだ「新星(シンシン)」もいる。人間なら140歳に相当する超長寿パンダだった。
パンダで町おこし
街を歩いてみてわかったが、雅安市は最近、「パンダの故郷」のイメージを高めるべくあらゆるところにパンダ要素を取り入れている。
四川省は成都、都江堰、臥龍、雅安の4地域にパンダの飼育・研究施設があるが、圧倒的に地味で旅行者が少ないのが雅安なのだ。
中国の旅行情報サイトにも雅安のパンダ保護研究センターは「いつもがらがら」と紹介されているし、日本のパンダ好きのブログを見ても、多くは成都の施設のみを訪問するか、成都から近く有料でパンダの世話ができる都江堰、もしくは赤ちゃんパンダの世話ができる臥龍の施設に行く人が多い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら