医薬品卸業界では、各社が共通して取引のある製薬企業などから製品を仕入れるケースが多い。そのため品ぞろえでの差別化が難しく、薬局や医療機関に卸売りする過程では価格競争が起きがちだ。
薬局や医療機関側からすると、安く入荷すれば、販売価格との差額を利益とすることができる。目下勢いを増している大手調剤薬局グループなどは購買力がある分、卸への値下げ圧力も強い。
しかし卸売価格の過度な値引きは、製薬企業や医薬品卸の首をのちのち絞めることがある。「薬価改定」の存在だ。
医薬品の仕入れ・卸売価格は個別交渉によって企業が自由に決められる一方、医療機関や薬局が患者に販売する際の薬の最終的な価格は、1つ1つ国が定めている。
医薬品には医療保険が一部適用されるため、国は財政負担を減らす目的などから、医療機関が実際に仕入れた価格を定期的に調べ、値下げされている場合はそれに合わせて薬価を引き下げる。結果として薬価改定はほとんどの場合「マイナス改定」となっており、業界全体で毎回4~7%引き下げられている。
この記事は有料会員限定です
残り 1424文字
