堀江貴文「生成AIで知的労働者は一気に職を失う」 高額報酬のコンサルは存在価値がほぼなくなる

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ホリエモン
「知的労働者の仕事はAIに代替される」と予測する堀江氏(写真:徳間書店提供)
ChatGPT(チャットジーピーティー)などの生成AIの普及により、これからどのような激変が訪れようとしているのでしょうか。堀江貴文氏の著書『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』より一部抜粋・編集のうえ、10年後の知的労働者やクリエイターの仕事のあり方をご紹介します。

ホワイトカラーの9割がいまの職を失う

2035年前後に日本の労働人口の49%にあたる職業がAI(人工知能)に代替される─―。いまから10年近く前、野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究でそんな指摘がなされた。それが見事に的中しそうだ。

現在、知的労働や事務作業を職業にするホワイトカラーは日本の全労働者の半数以上を占めている。今後、そのホワイトカラーの9割がAIによっていまの職を失うだろう。徐々にではない。一気に失っていく。

文章、画像、音声といったコンテンツの自動生成能力を持つAIを「生成AI」という。ChatGPTがその代表格だ。この生成AI以前のAIも人間を大きくしのぐ情報処理能力を持っていた。しかし応用力に欠け、新たなコンテンツを創出できるわけではなかった。実際、いまも資料作成などはあくまで人間の手作業で仕上げている。

しかしChatGPTをはじめとする対話型の生成AIの進化でそれは一変する。私たちのデスクワークをいよいよ本格的にAIが受け持つのだ。

対話型の生成AIをあつかううえでスキルはなにもいらない。だれかに話しかけるように言葉で指示するだけだ。AIが生成したコンテンツがいまいちの出来なら、さらに指示を重ねればいい。曖昧な指示であっても問題ないわけだ。

数年後には、各種資料の作成も、メールの送受信も、AIが瞬時に片づけるようになる。そして会社員の大半は自分の持ち場を失う。そのときになってからでは遅い。いまのうちに自分の強みに磨きをかけ、人材価値を高めておくべきだ。

例えば、これまで高額な報酬を得ていたコンサルティング業界はほぼ存在価値がなくなる。コンサルのおもな業務は、経営課題に関するデータの収集、分析、そして解決策の提示だ。生成AIがもっとも得意とする領域である。

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