プジョー、ルノー、シトロエンを購入する人々 購入者データに見るフランス3ブランドの個性

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全長3645mm×全幅1650mmというコンパクトなボディにRR(リアエンジン後輪駆動)という、特殊なレイアウトゆえの結果だろう。かわいいうえに走りも楽しめる、フレンチコンパクトの代名詞的な存在と言えるかもしれない。

ルノー「トゥインゴ」は、日本で販売されるのは珍しいAセグメントのコンパクトカー(写真:ルノー・ジャポン)

最後にシトロエンの結果を紹介する。C3とC4の「個性的」のスコアがとても高い。どちらも街中で一目見ればわかる、唯一無二なデザインが特徴的である。悪目立ちせずに存在感を発揮できるのがシトロエンらしさのひとつでもあり、これが45%という高い女性比率につながっているのだろう。

ベルランゴは、そのボディタイプゆえに「アウトドア」のスコアが高くなっている。日本ではカングーのほうが歴史は長いが、ベルランゴもその優れたパッケージで昨今、存在感を強めている印象である。

「スライドドアは欲しいが、国産ミニバンではないものを選びたい」「他の人と被りたくない」といったこだわりの強い層に今後も支持されていくであろう。カングーにはない、3列シートモデルをラインナップするのも強みだ。

他人とは違った選択をしたい人へ

これまで見てきたように、フランス車はトヨタやホンダといった国産車とも、輸入車の中で最大シェアを誇るドイツ車とも大きく異なる特徴を持つ。

製品面・機能面での特徴としては、輸入車でありながら小型であること、手の届きやすい価格帯の車種が多いことがあげられるであろう。また情緒面でいえば、洗練されたエクステリア/インテリアデザイン、特徴的な色使い、フランスという国自体がもたらすイメージ(特にパリ)、他人とは少し違った選択、といったものが考えられる。

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これらの要素により、フランス車は日本国内でも他とは違ったポジショニングを明確に確立しているといえよう。

そろそろツール・ド・フランスが開幕する。筆者は毎年オンラインで観戦しているが、大会期間中はフランスの自然や市街地をたくさん目にする。そういった文化や自然環境の中で生まれているフランス車に、いつも以上に想いを馳せることができる楽しい時間だ。

ここ数年間、新しいモデルも続々と登場し、好調なフランス車の販売状況が、今後どう変化していくかを追っていきたい。

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三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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