プジョー、ルノー、シトロエンを購入する人々 購入者データに見るフランス3ブランドの個性

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300万円台で購入できるとなると、選択肢に上がってくる人も多そうだ。ネックとなるのは、価格よりも販売店網やそれに付随するアフターサービスのほうだろう。都市部であればそれなりの数の販売店があるが、地方となるとなかなか近くになく、それだけで選択肢に上がりづらいかもしれない。

2023年3月にフルモデルチェンジしたルノー「カングー」は384万円~(写真:ルノー・ジャポン)

ただし、2020年代に入ってからは部品やエネルギー価格の高騰から、輸入車の値上げが続いており、直近の新車購入者だけで見た場合は、平均購入価格も上がっていると思われる。

では、プジョー、ルノー、シトロエンを購入した人々は、どれくらい「強いこだわり」を持っているのだろうか。「車種決定の理由」のデータを見てみよう。結果は、「車そのもの」と答えた人が8~9割と非常に高かった。参考までに、国産車を含む新車購入者全体ででは、「車そのもの」と答えた人は66%程度なので、フランス車の選ばれ方の特徴は明らかである。

ここからは「何を重視して選んだか」を紹介することで、特徴をさらに細かく見ていこう。

「スタイル・外観」を8割程度、そして「ボディカラー」を5割程度の購入者が重視しており、見た目に関する項目のスコアが高い。

また、どちらかといえば「乗り心地」を求めるプジョー、シトロエンに対し、ルノーは「走る楽しさ」「出足の加速」といった項目が他より高く出ており、キャラクターの違いが見えてくる。

ルノーも乗り心地のよさに定評のあるブランドであるが、R.S.(ルノースポール)の存在も大きいのだろう。「メーカー(ブランド)」を最も重視しているのはプジョーであるが、3割強とそこまで多いわけではない。

メーカーごとの明らかな特徴

それでは各車のオーナーは、自身が購入したブランドに対してどのようなイメージを抱いているのだろうか。「購入したメーカーにあてはまるイメージ」を複数回答で聞いた。

3ブランドで共通して「センスが良い」「個性的」「洗練」「都会的」「遊び心がある」のスコアが高かった。比較対象として新車購入者全体と比べてみると、そのスコアの差は一目瞭然である。これも、フランス車の特徴であると言えよう。

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