ロシアはウクライナの弾薬の枯渇を狙っている 佐藤元外務副大臣、防御的な弾薬提供に前向き

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松山キャスター:防衛装備移転三原則では輸出できる装備品について、安全保障面での協力関係がある国に対して「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5つのカテゴリーに限定している。これも少し緩和してもよいという考えか。

佐藤氏:これまでも時々の安全保障環境をにらみながら移転の基準や手続きを見直してきている。日本有事をにらんだ場合、あるいはウクライナの市民を守るということを考えた場合、見直してもいい。「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型は日本のシーレーン、海上交通の防衛のためだけのものだ。日本に有利な安全保障環境を作るのはシーレーン防衛だけではない。であれば、その5類型をシーレーン防衛以外にもあてはめるべきではないか。これもいま(与党で)議論している。

(画像:FNNプライムオンライン)

相手国が日本に何を望むかを把握して供与の判断を

渡辺氏:われわれも、三原則の緩和について方向性を出すべくいま議論しているが、優先して守るべきはやはり人命だ。日本は戦争もなく75年以上過ぎてきた。実戦で使ったことのないものがはたして本当に世界から必要とされているのかどうか、ニーズがあるのかどうか。日本製だからこそ欲しい、メイド・イン・ジャパンのクオリティーだからほしいと言われるのは、例えば、US-2救難飛行艇などがある。いちばん欲しいと言われるのは潜水艦だ。静謐性や溶接技術の高さがある。必要とされるものを1つの売り物として考えればいいが、実戦の実績のないわが国のものがはたしてどこまで本当に需要があるのか。今回の自衛隊車両100台規模の提供について政府は「ウクライナ側からのニーズだ」と説明している。オーダーメイド型ではないが、相手国が日本に何を望むかを把握してできる、できない、を判断すべきだ。

橋下氏:ニーズに基づいた供与はそのとおりだ。もしウクライナが「弾薬がほしい」と、それも「日本から直接でなくてもいい」と言ってきたとしたら。例えば、NATO、欧州諸国がウクライナに弾薬を渡し、アメリカが欧州に補給し、アメリカが足りなくなった分を今回韓国が、それを補給するかどうか。ミサイルなど一線を越えるものはいけないとは思うが、このグループで武器を、弾薬ぐらいを、同志国でストックし回していくという考え方には反対か。

渡辺氏:いや、別に反対とは言っていない。いま(党内で)議論中、検討中だ。他国に武器を渡すには当然、秘密保護協定などを結ぶなりしてそうとうな信頼関係が必要だ。それこそロシア人義勇兵による「自由ロシア軍団」などに横流しされ、結局どこに行ったのかわからないというようなことには歯止をかけなければいけない。

佐藤氏:ほかの国もなけなしの兵器を自国の国防のリスクを負ってまで(ウクライナに)渡しているのは事実だ。昔はアメリカは日本からは弾薬なんか要らないと言っていたが、いまはアメリカ海兵隊の総司令官が、日本有事のときは日本から弾薬をもらいたい、と言うぐらい、いまアメリカも非常に(弾薬が)足りない。与党協議の場で、ある有識者が言っていたのは、日本有事、とくに台湾有事のときに「フィリピンに防御的な武器・弾薬を渡さなくて本当に大丈夫か、議論しているか」と。「もしもフィリピンが危ない状況になれば、次は沖縄だろう。そこまでしっかり考えてほしい」という指摘もあった。

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