シミュレーション上では時速600キロメートルが出ることはわかっている。実際に走行することで、シミュレーションとの違いを知り、今後の確度向上につなげるという狙いもある。
「時速500キロ運転を間違いなく行うためのデータは、550キロ運転時よりも600キロのほうが確度は高まる」(遠藤所長)
試験終了後、リニアに乗車していた遠藤所長が車内の状況を説明してくれた。意外にも、世界最速を達成した瞬間の車内の雰囲気は淡々としていたという。「技術者たちは時速600キロの“体感”を真剣に感じ取っていた」(同)。技術者にとっては、自らの体感も重要なデータだからである。
時速600キロメートルの乗り心地とは、どのようなものだったのか。「スピードが出れば出るほど安定性が増すのがリニアの長所。時速500キロを超えたほうがむしろ安定する。非常によい乗り心地だった」と遠藤所長は言う。
首相訪米にタイミングを合わせた?
リニアの世界記録達成のニュースは世界中を駆け巡った。「フットボールのフィールド20個分を走り抜けるのに、文章2行分を読む時間しかかからない」――。米CNNは時速603キロメートル達成のニュースをこう報じた。
JR東海は、リニアを世界に売り込むべく奔走している。とりわけ、同社が最有力候補と考えているのが米国だ。米ABCニュースは、ニューヨーク―ワシントンDC間をリニアで結ぶ計画があると伝えている。
この記事は有料会員限定です
残り 1192文字
