NTTとJERA、再エネ3000億円買収ではじく皮算用 洋上風力入札「第2ラウンド」を巡る思惑も錯綜

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あるエネルギー業界の関係者は買収決定のタイミングに注目する。この6月末には、秋田、新潟県などの4海域で大型洋上風力発電プロジェクトの公募入札(第2ラウンド)締め切りが迫っている。

2021年末に結果が開示された公募入札の第1ラウンドでは、三菱商事が3海域すべての案件を「総取り」。2海域で勝負に挑んだJERAは敗退した。だが、この第2ラウンドでJERAは巻き返しを図るべく、複数海域で応札するものとみられている。

絶好のタイミングで「足元を見られた」?

今回の買収決定によって、JERAは「国内洋上風力で実績のあるGPIが陣容に加わった」と第2ラウンドでアピールすることができる。実際、公募ルールの評価項目には、国内での洋上風力を行っている事業者に高い評点が与えられる。

反面、このタイミングでの売却ということでJERAは、売り手であるアメリカの再エネ事業会社パターンエナジーに「足元を見られたのではないか」(エネルギー業界関係者)という見方もある。売却の噂は過去何度も出ていたGPIだが、売り手にしてみれば高値がつくタイミングで売り抜けることができたと業界内ではみられている。

GPIの買収が第2ラウンドの事業者選定にどの程度、影響するかは蓋を開けてみなければわからない。大枚をはたいたJERAはそのチケットを手にすることができるのか。第2ラウンドの結果は早ければ2023年末にも明らかになる見通しだ。

大塚 隆史 東洋経済 記者

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おおつか たかふみ / Takafumi Otsuka

広島出身。エネルギー系業界紙で九州の食と酒を堪能後、2018年1月に東洋経済新報社入社。石油企業や商社、外食業界などを担当。現在は会社四季報オンライン編集部に所属。エネルギー、「ビジネスと人権」の取材は継続して行っている。好きなお酒は田中六五、鍋島。

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