「美しくなりたい」努力の"残酷"な費用対効果 労働経済学の権威が教える美の経済学

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もっとおカネを使えば、評価はもっと大幅に上がるんじゃないかと思うだろうか? 確かに平均的な額を使っていた女性が平均の5倍(これは平均的な家計所得の20%に相当する)までおカネをかけると、評価は3.56点に上がる。

でも、データを見ると、かけるおカネを増やした分で得られる効果は、それまで使っていたおカネが多ければ多いほど、小さくなっていくのがはっきり表れている。

よく聞く話から考えると、服装や髪形、化粧、手術、そういうことにおカネをつぎ込めば、経済的にも払ったおカネ以上のものが得られるとみんな信じているようだが、証拠を見てみるとまったくそんなことはない。中国での調査によると、容姿をよくするために1ドル使って得られるおカネは、平均でたったの4セントだ。

結論:美容におカネを使っても、おカネは儲からない

健康におカネを使っても寿命が延びるとはかぎらないが、それでも健康な人生を楽しめるかもしれないのと同じように、整形手術やいい服におカネを使うのには、ちゃんと意味があるのかもしれない。何よりも、その手の営みにおカネを使えば、幸せな気分になれる。でもおカネが儲かるかもなんて了見の狭いことを考えているなら、これはあまりいい投資ではない。

科学技術が進歩して、安く簡単に美貌が手に入る日が、いつか来るかもしれない。でも今のところ、私たちはそういう境地からは程遠く、私たちのほとんどにとって、若者だった頃の美しさが、その後、同じ世代のほかの人たちに比べて大きく変わることはない。

齢を重ね、自然と顔が変わってもそうだし、整形手術や美容法で容姿を改善するべく手を尽くしてもそうだ。顔がひどく傷つくような事故にでも巻き込まれないかぎり、私たちは基本的に、母なる自然、それにたぶん若い頃の食生活が与えてくれた顔と、一生付き合っていくことになるのである。

ダニエル・S・ハマーメッシュ 労働経済学者

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Daniel S. Hamermesh

テキサス大学オースティン校で経済の基礎に関するスー・キリアム寄付講座の担当教授、オランダのマーストリヒト大学では労働経済学の担当教授を務める。著書に『労働需要(Labor Demand)』、『どこでも経済学(Economics Is Everywhere)』などがある。

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