【産業天気図・スーパー・コンビニ】防災特需で既存店は堅調、後半は新店効果に期待、ただ資産除去債務で純益低調

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景況感の展望
11年4月~9月 10月~12年3月


 コンビニ・スーパー業界の景況感は、前半(2011年4月~9月)が防災特需を前期の猛暑効果剥落が相殺する形で「横ばい」。後半(10月~12年3月)は消費の大幅な冷え込みがない前提で、大手の新店効果により小幅ながらも「上向き」が期待できる。ただ最終損益では資産除去債務などで減益が不可避となりそう。

東日本大震災を受け、当初は店舗への被災と消費冷え込みから収益がメタメタになるのではないかと懸念されたが、大手チェーンはむしろ既存店売上高が堅調に推移している。

東北地方へはイオン、イトーヨーカ堂などGMSに加え、セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート等が店舗を展開しており、いくつかの店舗が地震や津波で被害を被っている。ただ、東北地方でも津波の被害を受けていない店舗を中心にかなりの割合が営業を再開している。現地では食品や生活必需品を中心に被災者のニーズが高いため売上高はそれほど落ち込んでおらず、また全国の店舗網に閉める東北地方の割合が日本の人口比と同様にそれほど大きくはないため、全店に与える影響は最小限で済んでいる。

東京電力の管内では、計画停電や福島原発事故により営業時間が一部限定されるところもあるが、消費者による水や保存食料の買いだめ等でこちらも既存店売上高はむしろ前年を上回るペースだ。中部・関西や西日本・九州地方では関東ほど物資の不足感はないはずだが、東北地方の被災者への個人的な物資支援や首都圏の親類縁者への仕送り需要などで、やはり生活必需品を中心に購買意欲が強く、店頭ではやや品薄気味。

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