『WIRED』創刊編集長が教える人生の意外な哲学 若いうちから「生産性」を気にしないほうがいい

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芝居や映画を見にいくときは、映画に100%集中する。全身を耳にして聴く。会議に参加するときは、会議のことだけに集中する。

(ティムから)心が動揺しているときは、一度に1つのことだけをすると力を発揮できる。

一生懸命生きるためのアドバイス

ケヴィン:「私は『フューチュラマ』(SFシットコム・テレビアニメシリーズ)の作者マット・グレイニングが刺激を受けたという秒読み時計を持っている。

自分自身や自分と同じ年に生まれたほかの人の推定寿命を出し、残された日数を逆算してみた。それをコンピューターの画面に表示させている。

何日残っているかを知ることが重要ではない。もちろん私はそれよりも長く生きると思う。健康状態もいいし。それでも、6000日かそこらしか残されていない。やりたいことをすべてやるには時間が足りない。

友人のスチュアート・ブランド(『全地球カタログ(Whole Earth Catalog)』の創刊者で、ロング・ナウ協会の会長)から学んだことがある。

スチュアートは残りの寿命を5年ごとに区切っている。行動に移す価値のある素晴らしいアイデアを思いついたら、その日から5年間はそれについて考え、5年後には考えるのをやめる、という。

5年間のプロジェクトとしてとらえると、若い人でも、時間が限られていると考えて行動できる。

(ティムから)大成功を収めているあるプライベート・エクイティの投資家は、エクセルのスプレッドシートを使って死の秒読み時計を表示している。

メメント・モリ(いつか必ず死ぬ)。これは「一生懸命に生きる」ための素晴らしいアドバイスだ。

ケヴィンは、数々の技術的なイノベーションやトレンドをみごとに予測してきた。これは素晴らしいことだが厄介なことでもある。

ケヴィン:ジレンマは、将来に関する真の予測は無視される運命にあることだ。

今信じられている将来はおそらく到来しないだろう。人々が信じたらそれは実現せず、人々が信じなかったら結局どうなるのだろうか?

(ティムから)ケヴィンには、信じ難い(結局は正しいのだが)予測を立てる際、1つの手法がある。誰もが本当だと信じている事柄をリストにして、1つひとつについて「それが当たらなかったらどうなる?」と質問して、その予想外の結果についてブレーンストーミングを行っている。

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