ココカラ統合で大化け「マツキヨ流改革」のすごみ 時価総額で圧倒、ライバルと一線画す独自経営

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2021年10月の経営統合から約1年半で、ココカラファインの収益性が急改善した背景とは。主に3つが挙げられる。

1つ目はM&Aによるスケールメリットの拡大だ。「帳合(卸売業者からの仕入れ)を共通化したことで原価率が低減した」(松本社長)。同じ商品でも仕入れる量が増えれば、有利な条件で仕入れることが可能になる。

マツキヨは幅広くPB商品を展開する(撮影:尾形文繁)

2つ目が、粗利率が高いPB(プライベートブランド)の拡充だ。化粧品大手のコーセーと共同開発したスキンケア「レシピオ」を皮切りに、ヘアケアや日焼け止めなど、次々にPBを展開している。PBの売り上げ構成比は2023年3月期末時点で12.7%まで拡大した。「PBとNBでは粗利率が10%異なることもある」(同業他社)ため、この差は大きい。

一般的にPBは、NB(ナショナルブランド)よりも低価格をアピールする商品が多い。だがマツキヨココカラのPBには2000円程度の化粧水もあり、これはNBの低価格帯スキンケア「メラノCC」(ロート製薬)より2倍の値付けだ。

マツキヨの「店舗KPI」に合わせた

それでも「隠れ敏感肌」を訴求し、マスク生活による肌荒れ対策としてファンの獲得に成功している。マツキヨココカラは自社のスマホアプリや店舗での接客から得た顧客データをもとに、マーケティングやブランドづくりにも重点を置いている。PBのファンを獲得できれば、顧客の囲い込みができるうえ、高収益な商品群のドル箱を育てることになる。

3つ目が、オペレーションの共通化。キャンペーンなど販促施策では「商品の販売数が増えると、店頭プロモーションなどの販促活動でメーカーからのリベート(販売奨励金)が獲得しやすくなる」(同業他社)ことで粗利率が改善する。

店舗運営の効率化も進めており、「一人当たりの時間売上高など店舗KPI(重要業績評価指標)をマツキヨと合わせていくことで効率化が進んだ」(ココカラファイン社長でグループ副社長の塚本厚志氏)。「グループシナジーはいまだ道半ば」(松本社長)と、今後も、顧客基盤の統合や物流の共通化など相乗効果を生み出していく構えだ。

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