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「アニメグッズ」の海外展開が一向に進まない理由 日本企業を及び腰にさせてきた「儲けにくさ」

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日本アニメ人気の一方で、グッズの海外展開は遅い。

韓国の「アニメイト」店舗外観
2021年に移転・リニューアルオープンした韓国・ソウル、ホンデの「アニメイト」。

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5月22日発売の『週刊東洋経済』は「アニメ 熱狂のカラクリ」を特集。この10年で市場規模は2倍となり、今の日本には数少ない成長産業となったアニメ。動画配信の普及もあり世界中でアニメファンが急増する中、沸騰するビジネスの最新事情や、根深い課題を深掘りしています。
週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)
『週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

日本アニメの躍進とともに注目を集めるのが、子ども向け玩具とは異なる「キャラクターグッズ」だ。日本のキャラクター商品化市場は6631億円(2021年)で、近年増加傾向。熱心なアニメファンに加え一般層にも需要が広がる。フィギュアやプラモデル、缶バッジやアクリルスタンドが女性や若年層に人気だ。

一方、海外での展開はというと、日本国内のようには流通していないのが現状だ。海外のファンがグッズを入手する機会は、並行輸入品を扱うECや、日本アニメの特別なイベントが依然中心だ。

海外では、日本の版権所有企業が、現地でグッズ販売をしたい海外企業(ライセンシー)に商品化権を委託し、ロイヤルティーを受け取るビジネスが一般的。だが「従来は『売る棚』と販路自体がそもそもなく、マス流通に頼らざるをえなかった。北米ならばまずウォルマートのような量販店の棚を押さえる。棚の確約が取れたら現地のライセンシーに交渉できる」と、キャラクター・データバンク社長の陸川和男氏は言う。

最近まで儲けは出なかった

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