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バンナム「ガンダムは無料配信でも世界で稼げる」 エンタメ大手社長が語る唯一無二のIP活用戦略

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川口 勝(かわぐち・まさる)/バンダイナムコホールディングス 社長。1960年生まれ。83年駒澤大学経済学部卒業、バンダイ入社。2015年にバンダイ社長。バンダイナムコホールディングス副社長を経て、21年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

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5月22日発売の『週刊東洋経済』は「アニメ 熱狂のカラクリ」を特集。この10年で市場規模は2倍となり、今の日本には数少ない成長産業となったアニメ。動画配信の普及もあり世界中でアニメファンが急増する中、沸騰するビジネスの最新事情や、根深い課題を深掘りしています。
週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)
『週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

作品のキャラクターや世界観など「IP(知的財産)」を軸とした経営を展開するバンダイナムコホールディングス。『ガンダム』シリーズなど世界的な人気IPを多数有する同社の川口勝社長に、今後の戦略を聞いた。

──日本アニメの市場が海外を軸に急成長しています。

最近のアニメの勢いはものすごい。テレビ放映が軸だった頃は、なかなか海外で同時展開できず、それぞれの国でタイムラグが発生していた。これが配信で一気に全世界へと広がる時代となった。

海外のイベントにブースを出すと、日本で放送中のアニメがすごい人気を見せる。現地の漫画が強い市場だった北米も、動画配信の普及で急成長している。一昔前は考えられなかったが、ウォルマートやターゲットといった大手量販店において、当社が玩具の棚を確保できるまでになった。

グループ全体で収益を刈り取ればいい

──ただアニメ制作部門は大きな利益を上げられていません。

次ページ「250億円をIP創出に充てる」
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