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「アニメバブル」の頂点に立つ「集英社」の殿様ぶり 人気作のアニメ化争奪戦で出版大手はボロ儲け

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原作を持つ大手出版社はアニメ好況で「わが世の春」。人気漫画のアニメ化権は、熾烈を極めた争奪戦が展開される。

集英社、講談社、小学館の看板
実はアニメ産業で最も影響力が大きい出版社。とくに集英社の存在感はすさまじい(撮影:尾形文繁)

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5月22日発売の『週刊東洋経済』は「アニメ 熱狂のカラクリ」を特集。この10年で市場規模は2倍となり、今の日本には数少ない成長産業となったアニメ。動画配信の普及もあり世界中でアニメファンが急増する中、沸騰するビジネスの最新事情や、根深い課題を深掘りしています。
週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)
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「斜陽産業」も今は昔──。出版大手3社の業績が急拡大している。集英社の2022年5月期は売上高1951億円、純利益268億円。10年代半ばにかけては、好調な年でも売上高1200億円、純利益50億円程度がやっとだったが、ここ数年は飛躍的に成長している。講談社も同様の業績トレンドで、赤字が続いてきた小学館も息を吹き返した。

各社の業績を押し上げているのが紙や電子の漫画だ。『週刊少年ジャンプ』を擁する集英社では、累計発行部数が1億5000万部を突破した『鬼滅の刃』を筆頭に、『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』など爆発的なヒットが続出。講談社も『東京卍リベンジャーズ』が同7000万部を超えた。

活況の背景にはアニメ市場の拡大

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