「プロトタイプとはいえ、内容は市販車と同等です」。スバルの広報担当者はそう教えてくれた。
今回、ドライブしたのはAWDとFWD(前輪駆動)、それと比較のために用意された5代目AWD(全輪駆動)の3モデル。英語だと、“バック・トゥ・バック”という、次々に乗り換えての試乗である。
新型インプレッサのパワーユニットは、2.0リッター水平対向4気筒。いわゆるボクサーエンジンだ。これをベースに、発進時のトルク増強や加速のための小型電気モーターを加えた「e-BOXER」エンジンとの2本立て。
ドライブトレインは、前記のようにFWDとAWDが選べる。変速機はリニアトロニックとスバルが名づけた無段変速機。ただし、電子制御で有段化されている。
“おとなっぽさ”にはワケがある
新型インプレッサのどこが良くなったかというと、まず印象深かったのはブレーキ。剛性感が上がっているのと効きが向上していることに加えて、踏み込んだときのコントロール性も高くなった印象だ。
加えて先代に乗ってみると、たとえば加速の”つき”は今も不満は感じない。ただし、ステアリングホイールやシートを通じて感じられる車体のしっかり感は、新型が明らかに上。
「(車体に剛性としなやかさを同時にもたらす)構造用接着剤の使用面積を大きく増やしたことや、2ピニオン式の電動パワーステアリングなどのおかげもあるでしょう」。試乗した会場で、スバルの開発エンジニアはそう指摘してくれた。
加えて、加減速時のスムーズさや振動制御も、新型開発における課題だったというだけあって、こちらも印象的だった。これが、先述の“おとなっぽさ”の理由になっているだろう。
スバルがやったのは、エンジンの回転制御の見直し、エンジンとトランスアクスル結合部の曲げ剛性の向上、ルーフの共振を止めるための素材の採用……と、範囲が広い。静粛性もうんと上がった。
「クルマが全体的に静かになってきているので、音が目立つ部分として、パワートレインまわりが気になりました。そこでパーツの剛性を上げたり形状変更をしたり、マウントを改良したりしました」
そう教えてくれたのは、音振(ノイズやバイブレーション対策なども含まれる)担当のエンジニアだ。
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