部下に「失敗してもOK」という上司が無責任な理由 管理職が意識すべき「良い失敗」「悪い失敗」

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僕の会社では、「前向きな失敗のみ大歓迎!」を打ち出しています。

前向きな失敗とは、学びにつながる失敗のことです。「学びにつながらない失敗はダメよ」と僕がいつもスタッフに話しているので、スタッフもそれをよく理解していると思います。

学びにつながる失敗は、「仮説検証が可能な失敗」と言い換えることができます。仮説を立てて、その仮説が正しいかどうかを検証する過程で起きた失敗は、それ自体が問題解決の糸口を与えてくれるので意味があります。

たとえば、メーカーが商品をつくって販売するとき、「販路をどうするか」という問題があります。量販店で売るのがいいのか、それともコンビニかECサイトか。「ターゲットは若者だから、この販路がいいだろう」という仮説のもと、とりあえず試してみて、結果を検証しながら最適な販路を探っていくわけです。

「新しい失敗」はOK、「同じ失敗」はNG

新しいことに挑戦すれば、失敗するのは当然です。しかし、同じ失敗を二度繰り返すのは、前向きな失敗とは言えません。ですから、僕がもうひとつ伝えているのは、「新しい失敗は大歓迎!」 だけれど、「同じ失敗を繰り返すのはダメですよ」 と。

メンバーには、失敗を経験するたびに、新たな方法を編み出したり、知識やスキルを身につけたりして成功に近づけていってほしい。それを僕の胸の内だけに留めるのではなく、言語化してチーム全体で共通認識を持つことが、チームの心理的安全性を高めるためには重要なことだと考えています。

心理的安全性を確保してメンバーのスキルや可能性を伸ばし、成長させることはマネジャーの役割です。そして、心理的安全性とは、みんながやさしいお花畑のような職場にするための考え方ではありません。チームとして成果をあげるため「人にやさしく、結果に厳しく」するために必要なものです。だから手放しに「どんな失敗をしても許すからね」というわけにはいきません。

「学びにつながる失敗なら、叱られたり評価に影響したりしない」とメンバーが理解することで、失敗への恐れから解放されて、挑戦しやすい環境が生まれます。

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