いま必要なのは船。復興のため、養殖用の船がなんとしても欲しい--佐藤仁・宮城県南三陸町長インタビュー
--集団避難も始まっていますね。
第1陣の500人が4月3日にバスに分乗して町を離れた。私も見送ったが、涙、涙。みな、早く戻れるようにしてください、と口々に言っていた。当初、1100人が集団避難するはずだったが、キャンセルが出て結局、890人くらいか。みな、苦しくてもここを離れたくないんだ。
--いま、最も必要なものはなんですか。
船だ。目の前には今も海が広がる。残酷だが豊潤な海だ。産業を何とかして復興していきたい。われわれには水産業しかない。そのためには、まずは船がいる。われわれはカキ、ホタテ、ホヤなどの養殖で生計を立ててきた。今回、船がみんな流されてしまった。養殖用の船がなんとしても欲しい。
漁業従事者は500~600人はいるだろうが、浜で共有すれば、100隻くらいあればいい。一隻100万円くらいだから、費用にしたら1億円くらいだろう。
--東京都知事選候補の石原現知事が、「津波は天罰」と発言されました・・・。
直接聞いていないから、なんとも言えないが、善意にとれば彼独特の言い回しだろう。自然に対するおごり、と言いたかったのだろう。ストレートにはとりたくないが、非常に残念な発言だと思う。
(聞き手:田北 浩章 =東洋経済オンライン)
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