横浜みなとみらいで進む「オフィス離れ」の超深刻 割安な「品川・汐留・晴海」に企業需要奪われる

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実は2021年から、みなとみらい21地区の空室率は大幅に上昇している。首都圏の不動産管理会社の中堅社員は、「みなとみらい21地区ではテナント集めに苦労している。供給が少なく需給バランスが保たれている横浜駅周辺と違って、オフィスの供給が過剰だ」とこぼす。

背景にあるのが、新築の大型オフィスビルの大量供給だ。横浜市では2020年以降、フロア面積が100坪以上の大型ビルが相次いで開発されている。その中心地が、みなとみらい21地区だ。2023年には約4.5万坪のオフィス床の新規供給があり、翌2024年にも約5.5万坪の供給が計画されている。

みなとみらいへの本社移転は一巡

同時に、みなとみらい21地区のオフィスビルと競合する都心物件でも空室は増えている。とくに、足元の都心のオフィス市場では、築年数の経った大型ビルがテナントを新築の大規模ビルに奪われる「2次空室」が起きている。

 

首都圏のオフィス仲介会社の幹部は、「みなとみらい21地区に本社移転する大手企業の需要は一巡した印象だ。都心でハイグレードな大型オフィスビルが空いているのに、みなとみらい21地区の物件をわざわざ選ぶテナントはいない」と指摘する。

さらに、みなとみらい21地区のオフィスビルにとって向かい風となるのが、都心のオフィス賃料相場の下落だ。コロナ前の都心の大型オフィスビルは空室が少なく、賃料も高かった。そうした中、相対的に賃料水準が低かったみなとみらい21地区は、自治体の補助金による後押しもあってオフィスのコストを抑えたい企業の受け皿となっていた。

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