16年の呪い「まつもtoなかい」期待される切実事情 フジテレビは長い低迷から今度こそ脱出できるか
その間のメイン出演者も、TOKIO、タモリさん、加藤浩次さん、リリー・フランキーさん、ビートたけしさん、ヒロミさん、田中卓志さん。
フジテレビの日曜21時枠が「いかにさまざまなジャンルや出演者の番組で試行錯誤してきたか」がわかるのではないでしょうか。
バラエティでは日本テレビの「行列のできる法律相談所」、ドラマではTBSの「日曜劇場」に勝てず、苦肉の策の単発特番枠もうまくいかない。2007年1月で「発掘!あるある大事典Ⅱ」が終了して以降の16年あまり低迷が続き、一部の人々から「データ捏造のイメージを払拭できていない」「不祥事で呪われた枠」という声があがるくらいでした。
だからこそ「まつもtoなかい」に寄せられる期待は世間の人々が思っている以上に大きなものがあるのでしょう。松本さんが同じ日曜にレギュラー出演していた「ワイドナショー」を卒業してこの番組に挑むことも含め、「16年にわたる負の連鎖を断ち切るにはこの番組しかない」という思いが透けて見えます。
あえて大型特番にせず1時間で勝負
「まつもtoなかい」に懸けるフジテレビの意気込みを感じさせられるのは、初回放送が21時からの1時間であること。局を問わず「新番組は2~3時間の特番で華々しくスタートさせる」というケースがほとんどであり、冒頭に挙げた通りもともと「まつもtoなかい」は2時間超の特番だったにもかかわらず、重要なレギュラー初回はあえて「通常放送と同じ21時台の1時間」を選んだのです。
具体的には19時スタートの3時間特番、20時スタートの2時間にすることもできたはずですが、それをせず1時間で勝負したのは、「そのほうが勝算あり」「2・3時間特番のほうが難しい」という判断によるものでしょう。
現在民放各局の21時台は、TBSがドラマの「日曜劇場」、テレビ朝日が報道の「サンデーステーション」、テレビ東京は人物ドキュメントの「家、ついて行ってイイですか?」で、純粋なバラエティは日本テレビの「行列のできる相談所」だけ。しかも同番組は近年、週替わりテーマのマンネリ化が指摘され続けているだけに、フジテレビとしては「今こそつけ入るスキがある」「16年間の低迷から抜け出すチャンス」なのでしょう。
一方、19時・20時台は、日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」「世界の果てまでイッテQ!」、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」「ポツンと一軒家」。TBSが「バナナマンのせっかくグルメ!!」「坂上&指原のつぶれない店」など、各局を代表するバラエティがそろう全曜日最大の激戦区。「まつもtoなかい」の初回放送を2・3時間特番にすると、これらとの戦いに巻き込まれて視聴率もネット上の反響も下がりかねません。だからこそ、「初回放送は通常の1時間に凝縮して間延びさせず、強いインパクトを」という方針が透けて見えます。
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