杉江:モデルSの場合は狙い通りでした。基本的には新しいものを作ってるという感覚は薄いんです。ペインありきなので、まったく新しい話じゃないんですよね。使っていくうちに「あ、ここが問題だ」というのがわかってきて、それに対応するという感じです。
創業当初からずっと歩行領域や近距離移動にフォーカスしてきていますし、これまでも他のモデルでも仮説検証してきたので、その結果も踏まえてモデルSができた。その意味で蓄積があるんですよ。
井上:このビジネスモデルは世界に通用するでしょうか。世界戦略についてもお聞かせいただけますか。
高齢化が進む先進国中心に展開
杉江:現在、日本、北米、欧州、アジア太平洋に6つの拠点があります。
日本にはセールス&マーケティングとR&D、北米にはセールス&マーケティングとITのチームがいます。欧州に関しては、オランダを拠点にして、欧州のすべての領域を見ていて、ここはセールス&マーケティングがある。最後にアジア太平洋の拠点が中国になりますね。中国だけではなく、オーストラリア、韓国、台湾、香港を見ています。
基本的には4つのリージョンで損益を管理して、それをグローバルに一元管理しています。
井上:本当にグローバルですね。市場の攻め方に何か基本方針はあるのでしょうか。
杉江:基本的には先進国を中心に広げています。高齢化社会が特に進んでいるので、必要とされる方が多い。
われわれのビジネスモデルは2つありまして、それは「モビリティ販売」と「モビリティサービス」です。
モビリティ販売のポジショニングとしては、ちょっとプレミアムなセグメントに位置している価格帯なんですけど、その価格帯に刺さるような地域に力を入れています。アメリカの中で、例えばカリフォルニアだとか、高齢者が多いフロリダ、東海岸のボストンやニューヨークです。これらの地域には富裕層が多くて、高齢者もいらっしゃる。
モビリティサービスは、法人向けのビジネスなので、たとえばアミューズメントパークとか、ホテル、コンベンションセンター、あるいは空港がある場所です。このような基準で展開しています。
井上:確かに先進国で高齢化が進んでいる国や地域に響きそうですね。今後も楽しみにしています。
経営学者・井上達彦の眼
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