杉江:そうなんです。だから、自動車からの乗り換えがスムーズになる。操作パネルにも、「D」や「R」とかって書いてあって、これまで車に乗られていた方でも使いやすい。
自動車のディーラーでも購入できます。北海道から沖縄まで、さまざまなメーカーの販売店100社と取引して、全国に1200店舗あります。彼らにとってもメリットがあって、免許を返納した後にもつながり続けることができる。ご本人だけではなく、ご家族ともつながり続けることができる。
だからディーラーのショールームには、WHILLも自動車と一緒においていただいています。そうすると、WHILLは車いすではなくて、違う移動手段だと思ってもらいやすい。モビリティなんだという認識をもっていただきたかった。
井上:なるほど。トータルな価値提案、われわれの言葉でいうビジネスモデルですね。どのようにビジネスモデルをつくったのでしょうか。ペインを和らげる製品が先で、その後に収益の上げ方を考えたのでしょうか。
ビジネスモデルとは問題解決
杉江: ターゲットユーザーとしてのペルソナを先に決めました。こういうユーザーには、これが必要なのではないかを想定する。そしてプロトタイプを作ってユーザーに試していただき、使い方や仕様を全部確認して改善する。
ただ、私はペインを考えることとビジネスモデルを考えることは同じだと思うんですね、どちらも問題解決の話なので。
たとえば、法人向けのB2Bのビジネスだと複数台必要だったりしますが、一括で買い取りたいとは言われませんよ。300万円の物販ではなく、月に1回、リカーリング(継続取引)のビジネスの方が彼らにとっては望ましい。
お客さまにとって何がペインなのか。B2Bのペイン、B2Cのペイン、お客さまごとにペインは異なる。そしてわれわれが持っている武器で提供できるものは何か。どのくらいの費用がかかるのか、最終的にやる、やらないを決める。
井上:仮説検証していく上で、見込みが違ったというような話はなかったのでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら