日中の懸案?実は「尖閣」は緊迫していない 警戒すべきは民間活動家の暴発が起こること

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もちろん日中は尖閣でにらみ合いをしている。中国は頻繁に島に接近して周辺をパトロールし、日本もその都度、現地配備の巡視船で抗議している。しかし、中国のパトロールはルーチン(日常業務)となっている。艦船数も一定であり、数で日本を圧倒する気はない。

その行動も最近はトーンダウンしている。尖閣国有化から最初の1年間は216隻が12マイル以内に接近したが、次の1年間では104隻に減少(新聞報道から計算)。1回に行動する艦艇数も最大8隻(通常4隻)から、常に2~3隻へと減少している

P-3C哨戒機は1日に1回以上の監視飛行を行っている(出典:海上自衛隊)

日本側も配備巡視船の数で中国を圧倒するようなことはしていない。現状の専従部隊が計画通り12隻とすれば、常時展開しているのは6隻内外である。初期段階では8隻を展開していたが、中国側パトロールでは日本側巡視船を越える数を出さない点をシグナルとして減らしたものだろう。

なお、日本側は相手の出方に合わせられるため隻数を減らしても問題はない。海自は東シナ海沖合での船舶行動を掌握している。海自P-3Cは最低でも1日1回以上の監視飛行を行い、それ以外にも日常的に飛行しており、従来データとの比較も可能であって差異はすぐに判明する。P-3Cに対して監視対象が横向きでなければ、ISARレーダにより、200km以上離れていても、どのタイプの公船であるかも識別可能でもある。

信頼感が醸成されているが・・・

何よりも現地では互いに危険行為はしない。動静をみても互いに並走を維持しており、冷戦期米ソ艦艇のように衝突コースを競い合うよう状況にはない。ある意味、にらみ合いの中で信頼感が醸成されているのである。

そうした中でかく乱要素になりかねないのが、民間活動家だ。

民間活動家は、政府間の暗黙の合意である相互抑制と現状維持に縛られていない。尖閣活動家は日中双方と台湾香港といった地域に存在し、尖閣保持の活動と称して、政治的名声や自国中央政府攻撃のため、隙をみて尖閣に侵入上陸しようとする。これは日中関係を危険にする要素である。

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