内戦激化スーダン「日本人退避」作戦の重大懸念 日本人の陸路輸送、生命を守る武器は使えるか

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(画像:FNNプライムオンライン)

有事の自衛隊活動は「ネガティブリスト方式にすべき」

橋下氏:ええ。今は憲法9条が前提で自衛隊の活動は全部細かく法律で決めることになっている。自衛隊の活動について政治家がもっと活動しろ、活動しろということになってきて、法律は本当に複雑になってきている。法律が複雑になればなるほど、想定外がどんどん生まれる。(スーダンのような)危険地域(での活動)も、ある意味有事の時にはやってはいけないことだけをきちっと書いて、あとはもう現場で判断して、頑張ってやってくれというような、ネガティブリスト方式に変えるべきだ。

ただ、ここはいろんな意見がある。僕の持論は憲法から変えていくこと。日本の法体系をガラッと変えるためには、憲法を変えてから法制度を変えるというのが僕の持論だ。少なくとも法律上変えられるのであれば、ネガティブリスト方式にして、危険地域でのオペレーションの場合にはやってはいけないことだけを書いて、あとは自由にやってほしいという法制度にしないと、自衛隊員の命を危険にさらすわけだから。今は法律に書いてあるか、書いてあるかと、書いてあることしかできない。河野さん、現場の自衛官としては、これは法律に書いているか、できるかできないかの判断ばかりではないか。

河野氏:おっしゃる通り。悲しいかな、これは自衛隊の歴史に負っている。今の陸上自衛隊は警察予備隊から来ている。海上自衛隊も海上保安庁の一部局が分離発展してできた。源流をたどると警察だ。従って今の自衛隊法は警察法のようなポジティブリスト方式になっている。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長、解説委員):例外的にできることだけを規定している。

河野氏:そうだ。本来の軍組織はネガティブリスト方式だ。すべて(の国が)そうだ。いま憲法9条に自衛隊明記という話がある。明記すれば違憲論はなくなるが、自衛隊法は恐らくそのまま残る。いま自衛隊が抱えている矛盾は、自衛隊を憲法9条に明記するだけでは変わらないはずだ。

橋下氏:憲法改正はもう絶対必要だ。政治家たちは改正することが目的になっている。自衛隊を憲法に明記することは必要かも分からないが、隊員の安全を守るためにネガティブリスト方式にするための憲法改正や、国を守るための憲法改正ではなく、なにかちょっと改正することが目的になる改正論はおかしくないか。

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