大阪百貨店決戦! 増床・新店に沸くキタ、供給過剰の懸念もたげる

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三越伊勢丹は大丸梅田とは対照的に、自主編集売り場を約30%取った。「手作りっぽい店を作ることで存在感を出すこと以外、梅田では成功しない。人手はかける」(同)。

従業員の半数はJR京都伊勢丹から異動させ、残りは新規に採用する。京都も大阪分を新規採用で埋めるため、「一時期的に2店とも接客の質が落ちるおそれがあるぞと、現場に奮起を促している」(同)。

熱を帯びるキタ戦争は、来年のうめだ阪急増床オープンで、いよいよ佳境を迎える。新宿伊勢丹と並び称されるファッション性の高さに加え、1平方メートル当たり売上高も新宿伊勢丹の348万円(09年度)に次ぐ262万円(09年10月~10年9月)と、抜群の効率性を誇る。

「ものを置かない売り場を作るつもりだ」。業界随一の論客としても知られる椙岡俊一・エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング会長兼CEOは、うめ阪の方向性をこう示唆する。「一寸のすき間なく商品を並べれば効率が上がったのは、ものがよく売れた時代の話だ」。逆説的には、商品点数は少ないほうがいいというわけだ。「ゼロからあんな大きな店を作ることはおそらくもうない」と、駆体や音響、電源、昇降機能を徹底的に作り込んだとも明かす。

うめ阪の改装は、キタの戦況を大きく左右するだけではない。07年まで業務提携する仲だった“東の伊勢丹、西の阪急”という両横綱が、大阪の街で百貨店業態の可能性を競い合う正面対決でもある。その行方を、日本中が注目している。

(週刊東洋経済編集部 =週刊東洋経済2011年4月9日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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