大阪百貨店決戦! 増床・新店に沸くキタ、供給過剰の懸念もたげる


国内百貨店売上高は、ピーク時の1991年には12兆円に達したが、08年には8兆円にまで減少。さらに、リーマンショック後の2年間だけで1兆円の売り上げを喪失した。既存店売上高は、10年10月に一瞬前年を上回ったのを除けば、この3年間ずっと前年割れだ。

「百貨店の主力であるファッション分野の主要客層は20~30代女性だが、この層の人口は団塊ジュニアに比べて3割少ない。また、15年ぐらい前はほぼ全員が正社員だったが、今や非正社員比率は約3割だ」と指摘するのは、津田和徳・大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所チーフアナリストだ。「つまり、主要顧客の消費能力は、以前の約半分になっていると推察される」。

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それでも、過当競争の懸念を振り払うように、各店は前に進む。

キタ3店で売り場面積が最も小さかった大丸梅田。結果として、衣料品が全体の62%を占めるファッション特化型の店となっていた。4月の増床で阪急に次ぐ大きさになるのを機に、「食品もリビングも積極的に展開し、子育て世代やヤング層も新たな戦略ターゲットに据える」と山本・大丸松坂屋社長は意気込む。「百貨店は値段が高い、敷居が高いという顧客の声に対応し、“高い”を脱却する」(同)という狙いもあって、東急ハンズやユニクロといったテナントを積極的に取り入れた。初年度売り上げ目標は670億円だ。

一方、5万平方メートルの三越伊勢丹は「梅田でいちばん小さい。歴史もない。固定客もいない」(松井・JR西日本伊勢丹社長)という厳しい条件下での開業となる。初年度売り上げ目標550億円は、計画当初からの目標値であり、一時期は見直しの議論もあったようだ。ただ、閉店を20時半に延長したり、駐車場を870台近く確保できるメドが立ったりしたことで、目標値を変える必要はないという判断に至った。特に駐車場は、キタで初めて、買い物客への優待サービスを行う。神戸から心斎橋へ向かう車の流れをキタで止めるという意気込みの表れだ。

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