16年で300店、「焼肉きんぐ」が勝ち組になれた訳 ファミリーへ訴求、「韓国フェア」で学生も支持
東西で異なる2つのメニューは、今回、あえて西→東、東→西を入れ替えた。利用客が注文するメニューに、地域的な特徴はあるのだろうか。
「総じていえば、関西はハラミ好きで、九州は豚肉や鶏肉文化なのを感じます」
全体で1番人気はカルビで、中でも「炙りすき焼カルビ」は薄くて食べやすいため、注文数が多いそうだ。カルビ、ハラミ、ロースの定番を押さえつつ、時にエッジも効かせる。
「食べ放題だからこそできる新提案は、期間限定でやっています。今回の韓国ポチャのように、そんなに親しみがないが、ちょっと食べてみたいと思うようなメニューで訴求します」
こうした取り組みが徐々に浸透し、名店が多い焼肉激戦区の関西でも消費者の支持を集めるようになった。
飲料提供や焼肉ポリスでの“おせっかい”
「すべての商品を席まで運ぶことにもこだわっています」と山口さんは話す。
同店が「テーブルオーダーバイキング形式」と呼ぶ方法だ。座席にあるタッチパネルで注文すれば、食事だけでなく、飲料も運んでくれる。一般的な食べ放題店が導入するセルフサービス(自分で飲食を取りに行く)は、目の前で飲食を選ぶ楽しみはあるが、何度も足を運ぶのは面倒に感じる人もいる。家族連れの場合、多くは母親の役目になりがちだ。
ユニークなのが、「焼肉ポリス」の存在。この腕章をつけた店員が店内を見回り、焼き方を指導する。今回の試食会でも焼き方を教えてもらいながら話を聞いた。学生アルバイトも多く、中には店の開業時から働き続ける人もいた。
「焼肉ポリスが“おせっかい”をすることで、お客さまに肉を美味しい状態で食べていただき、食事時間を楽しんでいただきたいのです」(山口さん)
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