石油元売り各社が被災地の営業給油所を毎日公表へ、製品不足の解消は4月中旬か【震災関連速報】
石油元売り各社は4月1日から、東日本大震災の被災地で給油可能なガソリンスタンドの営業情報提供を開始した。各社が自社のホームページで店舗名や所在地を公表し、随時、情報を更新する。業界団体の石油連盟が各社の情報をとりまとめたうえで、各県の対策本部を通じて関係市町村にも情報を提供。こうした取り組みによって、被災地の住民が近隣で営業中のスタンドを見付けやすくする。
営業スタンドに関する情報提供を始めたのは、JX日鉱日石エネルギー、エクソンモービル、昭和シェル石油、出光興産、コスモ石油、太陽石油、三井石油の大手元売り7社。東北被災地では依然としてガソリンなど燃料油の不足状態が続いているが、不安心理による買い急ぎも混乱に輪をかけている。このため、多くの店舗で給油が可能なことを広く住民に知ってもらい、そうした不安心理を静める狙いもある。
大手元売り7社の東北6県における系列スタンドは2873店。石油連盟の集計(3月30日時点)によると、このうち営業可能な店舗は全体の約8割に相当する2278店で、24日時点より284店増えた。
被害の大きかった東北太平洋側の3県に限ると、営業可能スタンドの比率は岩手が78%、宮城68%、福島も71%にとどまるが、それでも24日時点との比較では、岩手が327店→361店、宮城が315店→391店、福島も396店→486店へと店舗数は増えている。
ただし、こうした営業可能なスタンドも在庫切れや人繰りの問題などで店を閉じているケースがあり、元売り各社は毎日、系列スタンドへの聞き取り調査などで最新の情報を集め、給油できる営業店舗の情報をホームページ上で提供する。
石油業界は今回の地震で東日本に11ある製油所のうち6ヶ所が一時的に操業を停止したが、東燃ゼネラルの川崎、極東石油工業の千葉、JXの根岸製油所はすでに操業を再開。
また、震災直後は使えなかった八戸(青森)や塩釜(宮城)、小名浜(福島)、日立(茨城)など太平洋側の油槽所(石油製品の貯蔵・配送拠点)も順次復旧し、元売り各社は、関東や西日本の製油所から東北太平洋側へと内航タンカーによる輸送量を急ピッチで増やしている。
4月1日の記者会見の席上、石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産会長=写真右=)は、「供給状況は改善に向かっている」と説明したうえで、被災地の製品不足が解消される時期について、「4月中旬ぐらいにはそうなると思う」との見通しを述べた。
(渡辺 清治 =東洋経済オンライン)
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