構想10年、135人のキリスト者取材した彼女の提言 「宗教2世めぐる諸問題を契機に、問い直しを」

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最相葉月
「21世紀初頭の日本のキリスト者の証言」を記録に残したい。全国の教会に取材に赴き、135人の日本のキリスト者の声を集めた長編ノンフィクションを刊行した(撮影:平瀬拓)
旧統一教会問題などが注目を集め続けるなかで、伝統的に無宗教者が多いわが国でも、「宗教」を身近に感じるようになっている。だが、そもそもなぜ人は、宗教を「信仰」するのだろうか。

「日本のキリスト教信仰」を記録したノンフィクション

「この仕事を始めてから今に至るまで、とにかく自分が知りたいと思うこと、違和感を持ったまま何年も『いったい何なんだろう?』と思い続けていることが、私の執筆テーマになっています。さまざまなテーマを扱っているため、あっちこっちに行っているように見えるかもしれませんが、その軸は変わっていません」

そう語るのは、ノンフィクションライターの最相葉月氏。北海道から沖縄、奄美、五島、小笠原まで全国の教会に赴き、135人の日本のキリスト者の声を集めた、構想に10年、取材に6年をかけた長編ノンフィクション『証し 日本のキリスト者』が今年1月、刊行された。

これまでカウンセリングを扱った『セラピスト』(新潮社)や、中国朝鮮族の地下教会のクリスチャンを取り上げた『ナグネ──中国朝鮮族の友と日本』(岩波新書)など、さまざまな書籍を執筆してきた彼女が、今回選んだテーマは「日本のキリスト教信仰」だった。

「『21世紀初頭の日本のキリスト者の証言』を記録に残したいという気持ちがずっとありました。というのも、日本でキリスト教というと禁教下の『隠れキリシタン』や、世界遺産などの建物、もっと身近な例でいうとイースターやクリスマスなどイベントの話に終始しています。

そこでは、いったい、どんな人が、どのような信仰を持って生活しているのかということが語られもしなければ、想像もされてきませんでした。そこから、『日本にはこんなにキリスト者たちが生きている』ということを記録に残す必要があると思ったんです。

もちろん、隠れキリシタンに関する史料は大切なものですが、日本のクリスチャンのイメージはそこで終わっている。しかし、さまざまな災害や分断を経験し、少子高齢化やインターネット社会が到来したことで、キリスト教会は揺らいでいます。隠れキリシタンの時代と状況は異なりますが、今でもキリスト教の信仰は存在している。では現代において、神を信じて生きるとはどういうことなのか、という問いです」

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