京セラ稲盛氏が中途入社組の疑問に答えた「言葉」 「社長、おかしいじゃないですか?この会社」

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「稲盛さん、こうせんといかん、ああせんといかんとばかり言っていたら、『あなたみたいな人は嫌いや』『お前は好かん』と言われることもあるでしょう」

すると、思ってもみない言葉が返ってきました。

「あったり前や。わしはどんだけ今まで敵をつくってきたか。でもな、人に好かれよう思ってな、調子のええことを言うたってあかんぞ。敵なんて、半分おって当たり前で、味方が半分おったら御の字や。それくらいのつもりでやらんと人生、間違うぞ」

いい子になったらあかんのや、喜んで嫌われようやないか、と。これは稲盛さんの教えやったですね。どうしてもいい子になりがちな自分がね、人間ありますんでね。嫌われてでも、貫かんといかんもんはいかん、と心に決めました。

考えをわかってくれる同志を一人でも増やす

もう一つ、私が尊敬するのは、「自分一人では大したことがない」というのを稲盛さん自身がわかっていることなんです。どれだけ自分が頑張ったところで、たかが知れている。じゃあ、どうしたらいいんやと。自分と同じ考えのやつをたくさん育てりゃあいいんやと。

『熱くなれ 稲盛和夫 魂の瞬間』(講談社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これが稲盛さんなんですよ。そのためのフィロソフィであり、考え方なんです。

わしはこういう考え方でやる。お前らもわかってくれ、と。そうやって、自分の考えに同調してくれる社員を増やしていく。そうして会社を強くしていく。みんなの力でやるから大きくなる。オレの言うことを聞いてりゃそれでいい、ではないんですね。

考えをわかってくれる同志を一人でも増やすんやと。そうしたら、そいつが頑張ってくれよる、と。コンパも使う。会議も使う。常にそれをやるのが稲盛さんなんです。

上阪 徹 ブックライター

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うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

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