日本人が知らないアメリカ国境で起きている悲劇 移民が殺到、メキシコ収容施設では大規模火災
国連の国際移住局の推計によると、市内にいる移民の数は1万2000人に膨れ上がり、市のわずかな避難所のキャパシティをはるかに上回った。移民たちは現在、教会やホテル、時には路上で寝泊まりしている。
生き残るために、彼らの多くはキャンディを売ったり、車のフロントガラスを掃除したり、お金を乞うようになった。移民局は、流入を管理するために、国内の他の地域から数多くの担当官を呼び寄せた。
人権団体は、今月署名した書簡の中で、移民担当官による虐待と、「移民の犯罪化」と呼ばれるものを糾弾している。書簡によると、3月8日に地元のホテルで行われた、警察官、国家警備隊、メキシコ軍による共同作戦と思われる襲撃で、移民の書類が破棄されたという。「過剰な存在感で、脅迫の明確なメッセージを人々に送っている」と書簡は述べている。
数百人が国境へ殺到する事態も
緊張感が高まる中、移民たちもアメリカにたどり着くために、より必死の行動をとっている。
現地メディアの報道によると、3月12日、女性や子どもを含む数百人が国境に殺到し、シウダー・フアレスとエルパソを結ぶ橋に集結した。移民たちは「渡りたい」と懇願したが、法執行機関に追い返された。
地元メディア「La Verdad」が記録した映像では、小さな子どもを肩に乗せた女性が「私たちはただ通りたいだけです!どうか私たちを助けてください!もう十分です。私たちはここフアレスにいることに疲れました!移民は私たちを放っておいてくれません!私たちが持っているわずかなものまで奪ってしまうのです!私たちを助けてください!」と叫んでいる。
翌日、市長は移民に対して「より強い姿勢で臨む」と発表した。複数のメディアによると、メキシコ当局は27日の災害の数時間前から、市内で物乞いや路上での商品販売をしていた移民を検挙しており、収容者と施設のスタッフとの間に緊張が走っていたという。