自動車に欠かせないオイルシール世界大手のNOKが福島2工場で正常操業再開【震災関連速報】

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自動車に欠かせないオイルシール世界大手のNOKが福島2工場で正常操業再開【震災関連速報】

自動車エンジンなどの油漏れを防ぐオイルシールで世界大手のNOKは、東日本大震災の直後から操業を停止していた福島県内の2工場を、29日までに再稼働した。

停止していたのは福島事業場(福島県福島市永井川字続堀)、二本松事業場(福島県二本松市宮戸)。震災直後は停電が続き、現状確認もままならなかったが、その後順調に電力や工業用水などのインフラが復旧。生産設備の点検や試運転を終え、29日に正常操業が可能な状態へと復旧した。

NOKは自動車の至る所で使われるオイルシールで国内シェア7割、世界シェア5割を握る。1台の自動車に搭載される点数は200点を超え、小さいながらも自動車生産には欠かせない部品だ。大部分は福島の2工場が生産を担当しており、自動車業界内外で操業停止による悪影響が懸念されていた。

ただ、そのNOKにしても部品不足に悩む取引先の自動車メーカーが、依然として生産を止めているか、低水準の生産にとどまっている。このため、NOKも29日の復旧後は低操業を強いられている。

また、懸念材料もある。オイルシールは金属とゴムを組み合わせた製品が多いが、NOKと取引のあるメーカーなどからは、「そもそもゴム製品に不可欠な加硫促進剤で国内シェア7割を持つ薬品メーカーが被災しており、復旧に時間がかかっている。供給不安は解消されていない」との話も出ている。

(松浦 大 =東洋経済オンライン)

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