WBC栗山監督「挫折の多い人生」支えた言葉の正体 WBCで侍ジャパンを率いた栗山監督の"哲学"
監督としてグラウンドに戻ってからも、挫折の繰り返しです。パ・リーグ優勝や日本一も経験しましたが、山頂にはほど遠い感じです。
いまもなお、懸命にハードルを飛び越えようとして、足が引っ掛かって倒れたりしています。
膝についた泥をはらいながら、私は安岡正篤さんの「一燈照隅」の4文字を心のなかで唱えます。「大きなことを口にするよりもまず、自分がいるその場所を明るく照らす」という意味で、自分自身に落とし込むと「一生懸命にやったことが誰かのためになり、それを一度ではなく二度、三度と続けていく。一人ひとりがそれぞれの役割を果たすということが、生きざまとして素敵なのだ」ということになります。
「勝ち切れる環境を作るのが私の仕事」
安岡さんはこうも言います。
「環境が人を作るということにとらわれてしまえば、人は単なるもの、単なる機械になってしまう。環境に左右されてはいけない」
人間が環境に左右されてたまるか、人間が環境を作ってやる、というメッセージとして受け止めています。
ファイターズは戦力補強にたくさんのお金を投資するチームではありません。それでも勝ち切れる環境を作るのが私の仕事です。
知恵を絞って、工夫を凝らす。移動距離が長い、日程がキツい、などといったことも理由にしないで、自分たちで勝てる環境を作る。負けたときの理由を、あらかじめ用意したくない。「優勝したチームとは環境が違うから」と、言い訳をしたくない。やってやるぞ、と自分を奮い立たせています。
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