「アメリカの歴史は白人が創った」主張に見る過ち ヨーロッパ人入植の背景、国が形成される過程

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独立戦争を経て1776年にアメリカが独立宣言を発布した時、東部13州における白人の人口は約300万人と推定されています。この300万人の白人がアメリカ合衆国の建国に携わった「原合衆国人」であると言うことができます。

この原合衆国人の中には、ドイツ系が1割程度、オランダ系や北欧人が5%程度含まれていたと推定されていますが、そのほとんどはイギリス人でした。原合衆国人はイギリス人であるとする一般理解は間違っていません。

南北戦争(1861年~1865年)時代の合衆国人口は約2300万人に増加します。その内、約2000万人分が建国に携わった白人たち(原合衆国人)が自己増殖した数で、この時代までに、外部からやって来た移民が約300万人であると見られています。つまり、アメリカ合衆国初期のアメリカ人はほぼ、原合衆国人の子孫といえます。

1900年に、合衆国人口は約7600万人に到達します。南北戦争時代から19世紀末までに、外部からやって来た移民は約1600万人であると見られています。この時代、外部からの流入率が高くなります。

南北戦争後、かつて奴隷として人口に含まれなかったアフリカ系黒人も合衆国人口に含まれるようになったため、原合衆国人の子孫だけの自己増殖ではなく、黒人が人口に加わっています。当時の合衆国人口に占める黒人人口の割合は1割から2割程度と見られています。

また、19世紀の合衆国の拡大の中で、旧フランス領のルイジアナ、旧スペイン領のフロリダを併合したことによって増大した人口は移民として数えられず、合衆国内の人口増加として数えられています。この地域の住民はもちろん、原合衆国人ではありません。

移民の子孫も増加している

この時代において、原合衆国人の子孫がアメリカ全体の中で、どのくらいいたのか、移民との混血なども含めると、ほとんど判別がつかない状態になっています。アメリカの人口増加において、原合衆国人の子孫が自己増殖した部分だけでなく、移民の子孫も増加していることも考慮せねばなりません。

2000年に、合衆国人口は2億8142万人に到達します。1900年から1999年までの100年間の移民は約4600万人と見られています。外部からの流入率は19世紀に比べれば、低く推移しています。

アメリカにおいて、建国に携わった原合衆国人やその子孫だけでなく、それ以外の人々も合衆国の歴史の大部分を形成してきた内部者であるといえます。

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