各地で新幹線が進化「春のダイヤ改正」の見どころ 在来線は東西で“新駅"開業、利便性向上した?

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E7系新幹線
JR東日本のE7系新幹線。上越新幹線は2023年春ダイヤ改正で車両をE7系に統一し最高速度をアップした(撮影:尾形文繁)

JR各社の2023年春ダイヤ改正が3月18日に実施された。全体的には新幹線のスピードアップが目立つほか、在来線も新駅開業や複線化などの影響によって便利になった部分が多い印象だ。だが、利便性が向上した路線ばかりではない。JR本州3社の新幹線や都市圏の路線を中心に、新ダイヤの見どころや注意点などを紹介する。

新大阪―東京間2時間30分台「ひかり」登場

ダイヤ改正時、いつも細かい進化が見られる東海道新幹線。今回は東京駅での定期「のぞみ」の発車間隔が改善され、最も長い場合でも18分間隔の運転となった。

定期「のぞみ」と臨時「のぞみ」の発車順序入れ替えによって、名古屋での接続も改善された。今までは日中上りの「こだま」は臨時「のぞみ」との接続だったが、これを定期「のぞみ」との接続に変更。夕方の一部の上り「ひかり」でも同様に改善された。改正前後の臨時列車が走らない日を比較すると、のぞみ通過駅―のぞみ停車駅間の所要時間が最大で9分短縮された。

夜間には新大阪―東京間2時間30分台の「ひかり」が初めて登場した。これまでは新大阪20時45分発の「ひかり668号」が東京まで2時間44分と最速だったが、今回の改正で新大阪19時48分発の「ひかり522号」が、のぞみ停車駅に加えて豊橋、静岡にも停車し、しかも両駅とも「のぞみ」の通過待ちが1本ずつあるにもかかわらず、改正前の2時間54分から15分も短縮し2時間39分になった。10年前は「のぞみ」の多くが2時間36分運転であったのを考えれば大きな進歩ではないだろうか。

西では山陽新幹線直通の「のぞみ」が1時間最大7本になり、のぞみ中心ダイヤの時代が西日本にも迫ってきた。「みずほ」「さくら」を加えた速達列車全体では1時間当たり最大9本となる。

一方で、岡山では再び各駅停車同士(京都―岡山間各駅停車の「ひかり」と岡山―博多間の「こだま」)の乗り継ぎが41〜48分待ちに拡大。さらに上りは相生での停車時間が再び10分に戻った。これは岡山などから西明石へ行く人にとっては不便だ。岡山を境にした東西の各駅間の利用がよほど少なかったのだろうか。

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