各地で新幹線が進化「春のダイヤ改正」の見どころ 在来線は東西で“新駅"開業、利便性向上した?
JR西日本の近畿エリア在来線で最大のニュースは、「うめきた新ホーム」こと大阪駅の地下ホーム開業だ。関西の交通地図をガラッと変えるこのホームの開業によって、今まで大阪駅を素通りしかできなかった特急「はるか」や「くろしお」が停車できるようになった。
これにより、とくに朝ラッシュ時は京都などから大阪への着席通勤のチャンスが大幅に増え、既存の特急「サンダーバード」と合わせて1時間当たり最大4本となった。阪和線方面からも1時間当たり最大3本が新ホームに入る。また、夕方の帰宅ラッシュ時は京都線方面の特急と新快速の指定席「Aシート」を合わせ1時間最大6本に着席通勤列車が増えた。
このほか、神戸線でも「Aシート」車両増結によって19時〜21時台は既存の特急と合わせ着席チャンスが30分おきにまで充実。阪和線方面は18時〜19時半頃まで特急が15分おきに運転される。
大阪駅の新ホームにはこれまで新大阪止まりだったおおさか東線も乗り入れ、同線経由の直通快速が大阪―奈良間を最速58分で結ぶ。ただし所要時間は「大和路快速」だと最速52分でこちらのほうが速い。直通快速は新たに阪急との乗換駅である淡路にも停車し、淡路―新大阪間はわずか1駅になる。
奈良線複線化の大きな効果
JR奈良線ではついに京都駅―城陽駅間および山城多賀駅―玉水駅間が複線化され、対向列車との待ち合わせが解消された。複線化により、朝7時台の快速停車駅では京都行きが1時間当たり7本から9本に増発。所要時間も最大で9分短縮された。京都府の統計によれば、京都・宇治市内のJR奈良線と京阪宇治線の駅利用者数を比較すると、この30年で京阪宇治線が半減したのに対し、JR奈良線は3倍にまで増えたそうだ。コロナ禍の影響があっても、必要性は十分にあった複線化事業だったと言えるだろう。
また、日中は快速の奈良―京都間の所要時間が最大5分短縮され、44分に。長年のライバル、近鉄京都線急行の47分についに勝った。
いかがだったであろうか。幼稚園から中学時代まで常磐線沿線に住んでいた筆者としては、今回の改正で大変残念だったのが「タキシードボディーのすごいヤツ」こと651系特急電車の引退であった。全身真っ白のボディーは当時としては画期的だったそうで、筆者のような平成初期生まれ世代なら幼児向けの電車の本で目にして、沿線に住んでいなくても印象に残っていた方は多かったのではないだろうか。自分と同い年の列車の引退を見て、もうそんな歳になってしまったのかと思うのであった。
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