給与形態にどうも不安が募る会社の典型的な特徴 雇用契約書や給与明細、しっかり確認していますか
問題なのは次のような場合だ。
「固定残業代は30時間分の6万円。ある月に40時間の残業をしたが、振り込みは6万円だけだった」
この場合、10時間分に相当する2万円を請求することができる。もし応じなければ労働基準法違反だ。労働基準監督署に報告しよう。
ただしきちんとした証拠は用意したい。タイムカードがあれば確実だが、会社によっては固定残業代の範囲に収まるよう、まだ残業中なのに「タイムカードを押して終わったことにしろ」と命じるところもある。固定残業代オーバー分をなかったことにする証拠隠滅で、最悪の悪知恵だ。会社が勝手に終業時間を改ざんすることもあるので、先手を打って証拠は残したい。メモ書きなどでも材料となる。
固定残業代が常識の範囲を超えているケースもある。過労死ラインとされる80時間以上の設定は無効とされる場合がほとんど。会社側がルールを勘違いしていることもあり、交渉してもらちが明かないことも多い。労働時間に関して疑問を感じたら、弁護士や個人加盟の労働組合などに相談するのも有効な対抗手段となる。
給与明細は3年捨てるな
今仕事をしているあなたは、きちんと給与明細を受け取っているだろうか。
正社員だろうがアルバイトだろうがパートだろうが、会社側は従業員に必ず給与明細を渡さないといけない。これは所得税法で決まっていることだ。
ただ最近は、紙ではなくデータで給与明細を渡すケースも多くなった。中には、会社のサーバー内にアクセスして確認する仕組みも。しかしできれば、会社内だけでなく手元にも保存しておくことをお勧めしておく。「もしも」のときに安心確実だ。
給与明細は手元に、最低でも過去3年分は保管しておこう。未払いの残業代などを企業に請求できる期限(時効)は3年と、労働基準法でルール化されているからだ。
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