なぜか許してもらえる人が口にする「ほんの一言」 相手がついつい許してしまう魔法の言葉とは?
「失礼しました」を「申し訳ありません」と同じ謝罪の言葉と思っていませんか?
お詫びの言葉にも、軽重があることを覚えておきましょう。たとえば、人の前を通り過ぎるときに「ちょっと失礼します」と言ったり、話の途中で出なくてはならないときは「お先に失礼します」と言って出かけたりしますね。こうしたシーンで、かつては「失敬」という言葉もよく使われていました。
つまり「失礼します」と言うと、相手に対して「礼儀に欠けた言動をとったこと」への謝罪になります。どちらかというと軽いお詫び、といったニュアンスですから、ビジネスシーンなどのあらたまったお詫びには不適切なのです。
では、どういうふうに使うかと言うと、
Bさん:はい、遅くなりすみません。
↓
Bさん:はい、遅くなりすみません。失礼いたしました。
「失礼いたしました」は、ていねいできっちりとした印象があるのですが、これを謝罪の意味で使いたい場合には、「申し訳ありませんでした」「すみませんでした」などとセットにしましょう。すると、通常のお詫びに品のよさが加わります。
少し想像すれば気づけたかもしれない、というとき
相手の立場や状況を慮(おもんぱか)れば、もう一歩先の気づかいができたかも……という場合に使いたいちょい足しことばが「気づきませんで……」です。ただ、お詫びすべき状況というよりは、相手の要望や希望は容易に推しはかれるものではない、そうしたほうが、より相手が助かる、喜ぶというような場合がしっくりきます。
Bさん:承知しました。では、ちょうど1週間後でいかがですか。
↓
Bさん:承知しました。気がつきませんで……。では、ちょうど1週間後でいかがですか。
もちろん、仕事以外の場面でも使えます。たとえば、電車に妊娠中の女性が乗ってきたとします。すぐに気がつかず、遅ればせながら席を譲ろうとするとき、「ごめんなさい。気がつきませんで……。お座りになりませんか」と言えば、場の空気も和みます。タイミングがズレてしまったときに、言い出しやすくなる効果も。
また、誰かに迷惑をかけていたことに、後から気づいたとき。お詫びの言葉の後にちょい足しするだけで、洗練された雰囲気に。同じく電車の中で濡れた傘が隣の人に当たっていたときなど「申し訳ありません。気がつきませんで……」といったふうに使います。
ただ、相手から指摘や注意を受けたときは、言い訳に聞こえることもあるので、もし使う場合は「気がつかずに、申し訳ありませんでした」とお詫びの前に持ってきて、事情説明は、さらにその後に。人は、一番初めに聞いた言葉が頭に残るという「初頭効果」という性質があるのです。
謝罪する場面では、不安、落ち込み、もしかしたら怒りも少しあったりして、心境も複雑なことが少なくありません。でも、まずは、相手との関係性を壊さないということを第一の目的にして、ここで紹介した短い言葉を加えれば、きっと、相手の気持ちはほぐれるはずです。ぜひ、活用してみてください。
(構成:三宅智佳)
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