日本人がわかっていない「公的保険」で賄える範囲 物価高の今こそ保険を見直してみよう

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日本人は「必要なぶんだけ保険に入る」のではなく、「イザという時にどれくらいお金が必要になるのかわからないので、とりあえず多めに保険に入っておく」という発想の人が多いようです(写真:CORA/PIXTA)
過去に例をみない物価高が家計にも影響し、節約を始めたという家庭も多いだろう。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子氏は「生活費を多少削ったところで根本的な解決には至らない。知らないうちに加入させられた保険の見直しこそ大事」という。そこで本書では、節約するために知っておきたい「必要な保険、いらない保険」の見極めポイントを解説する(本稿は、『5キロ痩せたら100万円』より抜粋・編集を加えたものです)。

保険はマイホームに次ぐ高い買い物

痩せて健康になれば医療費を節約できますが、不測の事態に備えて加入する保険料を「節約」するうえで「民間保険」と「公的保険」についてよく知っておくことが大切です。自分は「民間保険」が本当に必要なのか、すでに自分が入っている「公的保険」にどれくらいの実力があるのか、それを知って賢く利用するだけで、ものすごい節約効果が得られるからです。

まずは、「民間保険」ですが、皆さんは、年間どれくらいの保険料を払っているのか、きちんと把握していますか? 日本の世帯の約9割が「生命保険」(個人年金保険を含む)に加入しています。

それだけでなく、保険料の支払い金額も多く、生命保険文化センターが実施している、「2021年度生命保険に関する全国実態調査」によると、1世帯あたり支払っている個人年金保険を含む保険料は、年平均37万1000円。つまり、平均で月額約3万円もの保険料を支払っているのです。

生命保険は、長く加入し続ける人が多いので、この保険料を20年間払い続けると約742万円、30年間払い続けると約1113万円、40年間だと1484万円も払うことになります。マイホームに次ぐ、高い買い物になるということです。にもかかわらず、ほとんどの人は大きな病気をせず、死なずに保険期間を終えます。 

じつは私も40年近く生命保険に加入し、かなりの保険料を支払ってきましたが、今までに「生命保険」からもらったお金は、出産の時に帝王切開で入院した時の15万円だけです。

生命保険は、万が一の時に保険が支給されるのでありがたいですが、掛け捨ての場合、私のようにずっと健康であれば、支払った保険は戻ってきません。どんな医療保障、死亡保障がついていても基本は同じ。

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