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「ラシーン」今見直したいレトロスタイルの素質 パイクカーの流れを汲む日産のチャレンジ

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  • 森口 将之 モビリティジャーナリスト
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初代パトロールとともに展示されるラシーン(日産グローバル本社ギャラリーにて筆者撮影)




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当時、日産が日本で販売していたSUVは、「サファリ」「ミストラル」「テラノ」の3車種。いずれもボディと別体のラダーフレーム、縦置きパワートレインを持つ、今見ればヘビーデューティと呼べるキャラクターだった。

他社を見ても、乗用車派生のクロスオーバーは、この分野のパイオニアであるスバル「レオーネ4WD」、トヨタ自動車「スプリンターカリブ」があったぐらいで、同じ年に「RAV4」がデビューしたという状況だ。

この時代、SUVといえばオフロード用というイメージがまだまだ主流だったから、ラシーンも全車4WDであり、リアにスペアタイヤを背負った仕様もあった。

1997年の東京モーターショーでは、丸型4灯ヘッドランプ、オーバーフェンダー、傾きを強めたリアゲートを持つスポーティモデル「フォルザ」が参考出品され、翌年発売された。1.5/1.8リッターだったエンジンも、2.0リッターとして力強い走りを実現した。

2.0リッターエンジンを搭載する「ラシーン フォルザ」(写真:日産自動車)

しかしながら、ラシーンは2000年に生産を終了する。6年間の生産台数は約7万台というから、実はパイクカーのどれよりも売れたことになるが、話題性はいまひとつだったと記憶している。

「たま」電気自動車のリバイバルはどうか?

ラシーンがデビューしたころ、筆者はすでに自動車ジャーナリズムの世界に入っていたので、新車時にも乗った記憶がある。でも、このクルマに対する評価が上がったのはその後、中古車として接したときだ。

若い頃は、新しいものに興味があったのでレトロデザインは響かなかったし、走りはおとなしくて印象が薄かったのだが、クルマを見る経験値を積むにつれて、パイクカーと同様に仕上げがとてもいい、プレミアムモデルだと感じたのだ。

チェック柄のシートと組み合わせる発売当初のインテリア(写真:日産自動車)

だからこそ、日産にはグローバルなプレミアムブランドのインフィニティとは別に、日本をはじめとするアジアに特化したプレミアムモデルとして、ラシーンのような車種を復活させてはどうかと思っている。

たとえば、日本の電気自動車として空前のヒット作となった「サクラ」をベースに、レトロテイストの車種を作るとおもしろいのではないだろうか。

サクラは、デザインも走りもプレミアム感に溢れているので、デザインのテイストをモダンからオーセンティックに切り替えた、フィアット「500e」のようなキャラクターがあってもいいと思えたのだ。モデルとなるべき車種もある。

1940年代後半~1950年代前半に生産された「たま電気自動車」(写真:日産自動車)

1960年代に日産と合併したプリンス自動車工業の源流の1つで、航空機産業から平和産業への転換にともなって生まれた電気自動車、「たま」だ。これの21世紀版を、名前ともどもリバイバルしてはどうだろうか。

パイクカーやラシーンを手がけた高田工業は現在、国連向けの特装車などに関わっている。かつての経験をもとに、ひと味違う日産車を再び送り出してほしいと考えている。

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