「心理的安全性」を誤解している人の3つの勘違い 楽しくやさしい職場にすることは目的ではない

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本当にいいチームの本質とは(写真:foly/PIXTA)
Googleが行った生産性の高いチームの共通点を見つける調査で、その最重要項目であると示された心理的安全性。近年では日本の多くの企業、マネジャーがこのキーワードを口にするようになったが、その深意を理解していない人も見受けられる。元Googleの人材開発責任者でもあるピョートル・フェリクス・グジバチ氏の最新刊『心理的安全性 最強の教科書』から、そうした誤解と、正しい認識を解説する。

心理的安全性とは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン氏が最初に提唱した概念で、「対人関係においてリスクのある行動を取っても、『このチームなら馬鹿にされたり罰せられたりしない』と信じられる状態」 を意味します。

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これに加えて僕なりの定義を紹介すると、心理的安全性とは 「メンバーがネガティブなプレッシャーを受けずに自分らしくいられる状態」「お互いに高め合える関係を持って、建設的な意見の対立が奨励されること」 です。

なお、ここで言う「ネガティブなプレッシャー」とは、不当な目標を与えられたり、理不尽な評価をされたりすること、人格を否定する言動などを指します。ですから、その人の能力に見合ったものであれば「ここまでやってくださいね。あなたならできますよ」とプレッシャーをかけることを否定しているわけではありません。

「心理的安全性=楽しくやさしい職場」ではない

近年、日本の企業でも「心理的安全性」が注目されるようになりました。メンバーが自分らしく生き生きと働き、組織の生産性を上げ成果を出すためには、職場の心理的安全性が必要だという認識が広がってきています。

その一方で、心理的安全性は、非常に誤解されやすい言葉だとも感じています。誰も厳しいことを言わず、お互いにやさしい言葉をかけ合い、陽気で明るい職場であれば、職場の心理的安全性が保たれ、みんな自分らしくいられる。そのように捉えている人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。

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