あなたは、「缶詰」の真実を知っていますか あの王道の果物を見かけないワケ
実は、びわやあんず、いちじく、ライチなど、そもそも一年中食べられなくても、消費者的にはそんなに困らないものが、わざわざ缶詰になっている。なぜだろうか。この理由を探るとシンプルな答えにたどりついた。「高級な贈答品や、ケーキなどを製造している菓子メーカーからの業務用の需要がある」ということらしい。
中国で見つけた!衝撃の「イチゴ缶」
一方で、日本のようにイチゴやバナナ、すいかが年中食べられない国には、これらの缶詰があるのだろうか。取材班が再び調べてみると、中国や東南アジアでは、イチゴやバナナ、すいかの缶詰があることが判明した。
いったいどんな味がするのか…いかにもザワザワする見た目。こわいもの見たさ(?)でぜひとも食べてみたい!
ところが、海外からの取り寄せを試みるも税関でひっかかってしまい実際のものを試食することがかなわなかった。そこで、取材班は日本国内の缶詰メーカーに協力を依頼し、「イチゴ缶」「バナナ缶」「すいか缶」を独自に作ってもらうことにした!日本缶詰びん詰レトルト食品協会の藤崎氏いわく、味がうまいか不味いかは別にすると、「技術的には缶詰にできない食品はほぼない」というから驚きだ。
では、それぞれの試食レポートをお届けしよう!
まずはイチゴ缶。缶詰を開けてみると、そこにはほぼそのままの形を残したイチゴが!おそるおそる食べてみると…悪くない!甘酸っぱくて、果肉がごろごろ入っている超高級なイチゴジャムのような味わい。これは全然アリだ!むしろ、新しいスイ-ツとして生産販売して欲しい!!
続いてスイカの缶詰をオープン。中には一口サイズにカットしたスイカが入っていたはずなのだが、加熱処理をした際に角が取れたせいか、見た目はまるでレバー。しかし、においは間違いなくスイカ。口に入れると…
スイカ特有のシャリシャリした食感は完全に失われ、微妙すぎる味わいだった。。
タイでは実際に製造されているという情報の「バナナ缶」。どんな味なのか想像もつかないが、実際缶をあけると、薄ピンク色の物体がぷかり…。あまりの見た目に、ここで表現できるうまい例えが見つからない。
それを目をつぶって口に入れると…えも言われぬ食感で独特の香りが口いっぱいに広がる。もともと水分が少ないバナナのようなフルーツは缶詰には向いていないようだ。繊維状のものが口のなかにのこり想像以上に食べにくいものであった。
缶詰の本来の目的は「長期保存」。手に入らないものをいつでも食べられるようにするため……という、言われてみれば当たり前の調査結果ではあったが、缶詰市場には本格的な「グルメ缶」の新メニューが花盛り。本格京風だしが旨い『だし巻き缶詰』や、大阪名物がそのまま缶詰になった『たこ焼缶詰』などなど……こんな状況を見ると、缶詰の担う役割も少し変わってきたのかもしれない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら