ジム・ロジャーズ「日本は高インフレで没落する」 国の競争力が低下する中で、どう行動するか
シンガポール在住、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。
コロナ禍は峠を越えたものの、ウクライナ侵攻の影響などが残り、世界はなおインフレに苦しめられています。IMF(国際通貨基金)によれば、昨年の消費者物価の平均上昇率はアメリカでは約8.1%、私のいるシンガポールでも約5.5%でした。例えば私が住むシンガポールでも、家賃が一気に20%超上がった物件も珍しくありません。
日本のインフレは今のところ収まる気配がない
他の先進国では中央銀行が金利を引き上げたり、保有する資産を圧縮するなど、インフレを抑えようと必死です。そんな中、日本では昨年末に実質的な利上げはあったものの、依然として金融緩和が続けられており、円安とインフレは収まる気配が見えません。
帝国データバンクの調査によると、昨年、日本で値上げされた飲料や食料品は主要メーカーだけでも2万品目以上と、過去30年で前例のない多さとなりました。もちろん今年も値上げは進行中です。すでにポテトチップスなどは昨年から3回目の値上げとなっています。また光熱費も高騰しています。例えば東京電力は、家庭の多くが契約する規制電力料金について、6月以降3割程度値上げする申請をしています。
そんな中、2018年から親交を重ねている世界的投資家のジム・ロジャーズ氏に昨年から数カ月取材を行い、『捨てられる日本 世界3大投資家が見通す戦慄の未来』 (SB新書) にまとめました。
この本では、「日本が抱えている構造的な問題」と「日本人が厳しい時代を生き抜くサバイバル術」に焦点を絞りました。日本経済は「インフレ」や「円安」などで厳しくなるばかりですが、そんな中で「個人がどのように対処し、富を築いて成功するか」という知恵がぎっしり詰まっています。
今回は、この本から「インフレの行方」に絞ってお伝えします。
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