日立化成は茨城と栃木の2工場で操業再開、半導体やリチウムイオン電池材料など順次【震災関連速報】

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日立化成は茨城と栃木の2工場で操業再開、半導体やリチウムイオン電池材料など順次【震災関連速報】

日立製作所グループの化学メーカー、日立化成工業は25日、東日本大震災の影響で操業を停止していた東北・関東地方の5工場のうち、茨城と栃木の2工場で操業を再開したと発表した。

操業を再開したのは、五井事業所の鹿島地区(茨城県神栖市砂山)と、グループの日立化成エレクトロニクス(栃木県真岡市久下田)。依然として水の十分な供給が確保できていないものの、設備点検の結果、生産に支障のない製品は順次、生産を再開した。

具体的には半導体材料やリチウムイオン電池用カーボン負極材の一部、プリント配線板用感光性フィルムの一部などで、28日から出荷も開始する。カーボン負極材や電気絶縁用ワニス、プリント配線板なども、状況を見ながら再開していくもようだ。

一方、山崎事業所の桜川地区(茨城県日立市東町)や、浪江日立化成工業(福島県双葉郡浪江町大字川添字中上ノ原)、浪江日本ブレーキ(福島県双葉郡浪江町藤橋字亀下)の3工場は、25日午後時点で操業が停止したままだ。

このうち山崎事業所の桜川地区は、4月上旬の生産再開を目指している。ただ、引き続き最大の懸案は、福島県浪江町の2子会社だ。2社は東京電力福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内に位置するため、一連の事故に伴う放射能漏れの影響で避難指示が出ている。被害状況の調査や復旧作業が中断した状態だが、原発事故の情勢次第では操業停止が長期化するおそれもある。

浪江日立化成工業はモーターに電気を流す部品であるカーボンブラシなどを、浪江日本ブレーキは自動車用のディスクブレーキパッドなどをそれぞれ生産している。カーボンブラシは国内の鉄道車両向けに5割程度の高いシェアを持ち、一定の使用期間を経ると交換が必要な消耗品だ。JR西日本や近畿日本鉄道が運行本数の削減方針を表明するなど、思わぬところに影響が出ている。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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